第三十五話
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のかもしれないね。
何かほとぼりが冷めるまで、なんて思ってたけど……この状況を見てるといつ何が起こってもおかしくなさそう。
ザビー教の件が片付いたら一旦戻ろう。
「……何をしておる」
ぼんやりと城の窓から空を眺めていたところで、唐突に毛利に話しかけられた。
「毛利様……雲の流れを見ていたんです」
「……雲の流れ、か」
毛利が空を見上げて、軽く鼻で笑っている。
その態度にむっとしたけど、見てみろと言われて空を見上げてみれば空には雲ひとつ無い。
……こりゃ、鼻で笑われても仕方が無いか。
観念して私は考えてたことを話す事にした。
「妙にこちらの動きが緊迫しているものですから、故郷にまで戦火が飛び火しないかと考えていたのです」
「現状では奥州まで戦火が広がることは無かろう。
今は織田が倒れた直後ということもあり、不穏な空気こそ流れておるが、大戦を懸念して各国とも牽制し合う状態ぞ。
この状態では戦なぞまず起こるものではない。均衡を崩すものが現れぬ限りな」
「それなら安心……って、私、奥州の出だと言いましたっけ?」
「奥州に向けて文を出していたであろうが」
……ああ、一応検分したわけね。
そりゃそうか、いくら使者で協力者とはいえ敵国のスパイだって疑いも拭えないしね。
まぁ、当然っちゃ当然か。気分が良いものではないけど。
「そなた、天下は奥州が取ると思うておるか」
唐突に何を言い出すのかと思えば、毛利は嫌に真剣な顔で聞いてくる。
いや、普段おちゃらけてるってわけじゃなくて、真剣だって分かる表情をしてるのが珍しくて。
基本的に無表情だし、この人。
「無理じゃないですか? 政宗様に獲れるとは到底」
さらっと言ってやれば、その鉄面皮が酷く驚いた顔に変わる。
「そなたの主であろう、奥州の独眼竜は」
ああ、やっぱりそこまで調べが付いてましたか。んじゃ、私が奥州で何やってたのかってのも分かってるわけね。
よく流れは分からないけど、織田が天下統一に王手を掛けた状態で没してるってことは、当然この次に豊臣が出てくるってわけで。
豊臣の軍師である竹中さんを手中に収めている以上、十分にフラグは立ってるし天下を獲るのは豊臣だろう。
で、この豊臣の後に続くのは徳川家康だ。徳川が天下人になったらもう覆すのは難しい。
この先に続くのは長い泰平の世だから。つか、これが歴史だし。
政宗様が戦を起こす理由は、戦を終わらせて民が笑って暮らせる世を齎すため。
理由としては良いんだけど、そこに自分が天下を獲って幕府を築いて……という明確なビジョンがまだ曖昧なような気がするのよね。
ここはBASARAの世界だから実際の歴史通
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