弐話 再び踏み出した男
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み返す。
「む!汝っ!わかる…わかるぞ…!貴様強いな!」
狂夜はため息を隠さずに大きく吐いた。
(戦闘狂かよ…)
「ドーモ、モンバン=サン。新月狂夜です。」
先程までのやる気は何処に消えたのか、狂夜はだるそうに首を動かす。
「うぅむ、ここでは汝も本気を出せまい、どうだ、広い場所に出て闘わんか?」
吽形の提案した言葉に狂夜はいつの間にか持っていたロケットランチャーを構えて答えた。
「OK」
返事と共に大きく銃声がなる。
吽形は突然のロケットランチャーに反応しきれずに被弾してしまった。
「効かんぞ!小童ァ!」
吽形が煙を払い、叫ぶと見渡す景色、360°全てが変わっていた。
「ぬぅ!?」
吽形は叫び、周りを見渡す。
しかし、景色が変わったことに驚いたのではないらしく、
いつの間にか吽形の前から新月狂夜が消えていた。
「お前が今までどんな相手と闘ってきたのかは知らんが…」
狂夜はいつの間にか吽形の後ろを取っていた。
「他の奴らと同じだと思ったのか?」
反射、弾かれるように吽形が腕を振るい、狂夜に拳を与える、
当然、狂夜は既に後ろにもいなく、消えていた。
「出直してくるんだな」
その声と共にいつの間にか大男の下に、狂夜はいた。
吽形が反応した時には遅かった。
脚力で地面を蹴り、下から上に拳を振るう。
当たった拳は吽形の顎から、持ち上げるように勢いよく弾かれる。
吽形は開いていた口を勢いよく閉められ、目を白く剥き、何本もの尖った歯が飛ぶ。
だが吽形は白目を剥いたまま、所々折れた歯をギリっと噛みしめニッと笑う。
狂夜は顔を見た瞬間、とっさに後ろへと下がった。
吽形は前進してその大きな拳を狂夜に振るう。
顔にあたり、何処か骨が砕ける感覚があった。
「ぐっ…」
いつにも無く低い声で狂夜は顔を顰めた。
「やはり人間…圧倒的な力の前にはたわいないものよ…」
そう言って吽形は再び拳を握りしめ、
一発、一発、殺意を込めて乱打する。
しかし吽形は途中で拳を止めた。
何故か?
殴っていたのは新月狂夜ではなかった。
『見えていた』周りの景色が全て元に戻った。
「あ〜あ、自分の仲間を傷つけるなんて最低だな…」
吽形が殴っていたのは阿形だった。
阿形は骸との闘いもあってか、ボロボロで気を失っていた。
吽形はもう白目を剥いている阿形を少し凝視し、声のする方向に首だけを動かした。
「うぅぅ…うぉぉぉぉぉっ!」
吽形は狂夜へと今までになく力を込め、拳を振るう。
拳の大きさは変形し、狂夜を握りつぶす程の大きさはあった。
狂夜もその攻撃に合わせるように、拳を振るう。
ドゴォッと大きな音がなり、吽形が
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