第二十九話
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込んだらこっちが痛い目を見るね。
とりあえず刀に絡められたらこっちの負けだわ。最悪刀取られたら肉弾戦に持ち込むしかなくなる……ん? 肉弾戦?
そうか、その手があったか。
私は竹中さんの攻撃をかわしながら間合いを詰めていく。
竹中さんの放った一撃を刀で受け止めれば、思ったとおりに刀を絡め取られて身動きの取れない状況にされてしまった。
しばらくこの状態で外そうともがくふりを続けていれば、竹中さんが勢いよく剣を上げて刀を跳ね飛ばしてくる。
予想した通りの展開に持ち込んで、私は小さくにやりと笑っていた。
「これで終わ」
「り、じゃないんだな、これが」
手から離れた瞬間私は勢いよく間合いを詰めるべく駆け出した。
刀を跳ね上げてすぐに竹中さんは刀を投げ捨てて丸腰の私に攻撃を仕掛けてきたけれど、そこは重力の力を持つ婆娑羅者。
襲い掛かってくる刀身をふわふわと宙に浮かせて完全に動きを奪った。
「なっ……」
流石にこれは予想の範囲外だったようで、動きを止めたその一瞬の隙が命取りになった。
竹中さんの剣を持つ手を蹴り上げて剣を払い落とし、軽く投げ落としてみる。
地面に叩きつけて目の前に拳を突きつけたところで、勝負あったと私はにやりと笑った。
「こんなんで、どうかしら」
拳を引くて、竹中さんは両手を軽く上げて降参のポーズを取る。
「まさか初めから刀を捨てるつもりでいたとはね。
君が重力の力を操るとは聞いていたけど、威力を殺すことも出来るとは思わなかったよ」
「押し潰すだけが手じゃないですからねぇ。使い方を間違えなきゃ、矢はおろか銃弾だって当たりませんよ」
防御にも攻撃にも使えるし、調整が難しいからあんまりやらないけど、
その気になれば空だって飛べるし結構この重力って万能なのよね。
「君の実力は十分に分かった、有効に使わせてもらうよ」
どうやらこれでしっかりと認めて貰えたみたい。後は決行の日を待つばかりだ。
いつになるかは分からないけど……。
夕飯を二人で食べながら、私は戦の話を切り出してみる。
参加するのはいいけど、具体的な作戦も知らないで命を懸けることは出来ない。
無論、それが策のうちなら話は別だけど、そうでもないのならば単なる足手まといになりかねないからだ。
「十六人もいれば落とすのは容易い、って言ってましたけど、具体的にどうするつもりなんですか?」
とりあえず腕試しをする、っていうのは分かったけど具体的な中身を知っておきたい。
最初は暗殺でも企てるつもりなのかと思ったけど、どうもそういうつもりもなさそうだし。
あくまでスタンスは仕返しと力試しらしいからそこまでやるつもりはないようで。
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