第二十七話
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うですねぇ……けれど、まだ近くにいるはずです。探しなさい」
「や、め」
「無理してはいけませんよ? 具合が良くなったら、たっぷりと可愛がってあげますから。安心して下さい」
安心出来るか!! テメェの可愛がるってのは、絶対ろくな意味じゃねぇだろ!!
どうにかしてこの野郎をぶちのめしたいところではあるが、こんな状態じゃ動くことすらままならない。
このままでは大人しく連れ戻されて、考えるのも恐ろしいようなことをされるんだろう。それだけは絶対に嫌だ。
心の臓が止まる覚悟で吹っ飛ばすか?
この状態で雷を使えば間違いなくこの程度じゃすまねぇ。命落とすくらいのことは有り得るだろう。
だが、命を惜しんだところで意味があるのだろうか。ここで命を落とさなかったとして待っているのは……。
……どっちにしたって死ぬんだ。
ここで死ぬか、おぞましいことをされて死ぬか、どちらかを選べと言われりゃここで死んだ方がマシに決まってんだろうが。
俺の側に近づいていた野郎が立ち去ろうとしたのを見て、俺はどうにか奴の手首を掴む。
「おや、どうしました? ……もしかして、私に側にいてほしいんですか?」
誰がテメェなんか一緒にいて欲しいとか思うか! 気色悪い誤解も大概にしろ!!
仮にこの世に二人きりで残されたとしても俺は絶対テメェとだけは一緒にいるつもりはねぇ!!
こいつと心中ってのは死に方としちゃ最悪だが、生かしておいていい人間じゃねぇ……。
政宗様、このようなところで果てる小十郎をどうかお許し下さいますな。
姉上、心配ばかりかけて申し訳ございません。
夕殿……祝言挙げる前にこんなことになっちまってすまねぇ。
俺みてぇな不甲斐ない男じゃなく、今度はもっと真っ当な奴と所帯を持ってくれ……。
帯電した俺の身体をじっと見つめる奴の表情は恍惚という言葉がぴたりと当て嵌まる。
正直反吐が出るんだが、今はそんなことを言っていても仕方がねぇ。
これが最後だ、こいつだけは全力で殺す!
「HELL DRAGON!!」
俺が雷を放つ直前、俺の頭上を雷の球が凄まじい速さで通り過ぎて明智の野郎を捉えていた。
俺が手を掴んでいたことで避けられずに直撃したあの野郎は面白いくらいに吹き飛ばされ、
無様なほどに面白い格好で地面に叩きつけられている。
ちなみに俺は直撃した瞬間に手を離していたので、吹き飛ばされることなくその場に倒れこむ程度で済んでいるのだが。
……ちぃっと、これは危ねぇかもしれねぇな。
「小十郎! 無事か!?」
俺の身体から雷が消えたと同時に胸痛がいよいよ酷くなる。
呼吸すらまともに出来ないほどの痛みに咳き込みながら悶えていると、駆け寄ってきた誰かに
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