暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはVivid 〜己が最強を目指して〜
第3話 「気さくな師範代」
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「つい先日、行き倒れの少女と出会いましたね」
ジークの名前を出してもよかったんだろうけど、ミカヤさんはインターミドルの常連かつ上位入賞した経験もある実力者。無論、彼女と面識があるはず。ミカヤさんの性格を考えると、今度ジークに会ったときに何かしらしかねないから名前は伏せていたほうがいいだろう。
「行き倒れ? ……もしかしてジークかい?」
「……はい」
ごめんジーク、ミカヤさんの中で行き倒れ=君みたいな考えが確立されてるみたいだから否定の言葉が出なかった。もしも今度今日のことでからかわれたりしたら、そのときは必ず侘びを入れるよ。
「そうか……去年の大会は途中で棄権したし、今年も今から行き倒れているとなると心配になるな。今年こそは以前の借りを返すつもりでいるのだが。……何か差し入れでもするか。……いや、今のところそれは無理か」
「どうして無理なんですか?」
「それはだな……まずジークは自分を鍛えるために各地を転々としている。まあこの時期はミッドチルダのどこかにいるとは思うが。他の理由としては……以前の試合のことをジークが気にしているみたいでね。彼女は私と顔を合わせるのを避けているんだ」
なるほど……多分後者の方が主な理由なんだろうな。各地を転々としているとしても念話といった連絡手段があるわけだから会う約束を取り付けることは出来るだろうし。
ミカヤさんとジークの試合……あの試合か。
僕の選手としてのジークのイメージは、ルールの範囲内で相手を制する光弾や投げ技のエキスパート。これに加えて、全力モードでは先祖から受け継がれてきた力である《鉄腕》を振るう圧倒的強者だ。
だが以前のふたりの試合では、そのイメージに当てはまらない一幕があった。
ジーク……僕がこれまでに調べた限りでは、彼女はベルカ最古の戦闘格技――人体破壊技術の継承者にして遂行者でもある《エレミア》の末裔だ。ただ普段はその真髄と呼べるような技は使っていない。
……いや、それも当然か。あのときの状態で放つ彼女の技は全て危険だ。
インターミドルの試合は、試合中はダメージに応じて打撲や骨折といった症状が再現されるようになっている。そのため、基本的に試合が終了すれば体に感じていた痛みも消えるのだ。
だが本気の……真のエレミアとしての力をジークが振るった場合、再現ではなく実際にミカヤさんの右手を粉砕してしまった。
これまでの試合や数日前に話してみて確信したことだが、ジークは優しい心を持った子だ。ミカヤさんに対して罪悪感といった感情を抱くのは当然だと言える。
ただ、だからといって避けてばかりいるのもダメだと思う。ミカヤさんの怪我は試合を行ったことで起きてしまったことだ。ジークへの口ぶりからしてミカヤさんはそ
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