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魔法少女リリカルなのはVivid 〜己が最強を目指して〜
第3話 「気さくな師範代」
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経験のあるベテランだ。それに高い実力を持つ剣士として知られているだけに、優勝を争う一角と周囲は認識していることだろう。
 ただ……ミカヤさんは現在18歳。インターミドルに出場できるのは今年を含めても残り2回しかない。再来年の大会からは出場者の間で彼女の話は出なくなることだろう。
 僕は転生した身だけどこの世界の戸籍上は16歳になっている。だから今年を入れて残り4回チャンスがあるわけだ。人によってはたった2回しか変わらないかと思うかもしれないけど、僕達にとってこの2回というのはとても大きいものだ。

「ミカヤさんがインターミドルに賭けている想いは少なからず分かってます。僕でよければいつでも相手になりますよ」
「ふむ……ではお言葉に甘えて今日からインターミドルが始まるまで毎日相手になってもらおうかな」
「えっと……本気で言ってます?」
「いや冗談だよ。本音を言えば実行したいところだが、君には君の付き合いがあるし、君も今年はインターミドルに出るんだろう?」

 誤魔化す必要もないので僕は首を縦に振る。

「なら初出場の君はまず選考会に参加して、その後の予選を勝ち上がらないといけない。そこで戦う相手は私のようなタイプばかりではないだろうし、私とばかり手合わせしていては対応できる相手が狭まってしまう。故に今の考えを実行するのは申し訳ない……とも思うが、君ならば問題なく勝ち上がりそうな気はするがね」
「はは……そう言ってもらえるのは嬉しいですけど、僕は問題なく勝ち上がれるほど強者じゃないですよ」
「だからといって弱者というわけでもないだろう」

 もしも君が自分のことを弱者だと言うなら間違いなく恨みを買うだろうね。
 そのような意味が込められた視線をミカヤさんは真っ直ぐ僕に向けてきた。これでは否定の言葉だけを発するのは悪手にしか思えない。

「ミカヤさんにそう言われたら自分が弱いとは言えませんね。でも……僕は常に《弱者》でありたいとは思っています。僕みたいな人間は自分のことを強いと思ってしまったら、そこから先に進めないでしょうから」
「ふふ……実に君らしい考えだ。いや信念と言った方がいいかな。……まあ何にせよ、君の強さの理由がひとつ分かった気がするよ」

 ミカヤさんは綺麗な笑みを浮かべる。それに加えて、艶のある長い黒髪やきちんとした姿勢が大和撫子を彷彿させる。
 といっても、僕は正真正銘の大和撫子というものをこれまでに見たことはない。故に僕の中にあるそれは完全にイメージでしかないのだ。まあ誰かにミカヤさんのことを伝えようとしているわけではないので現状どうでもいいことなのだが。

「おっと……話してばかりでは君から時間をもらった意味がないな。あちらに君用の道着と刀を用意してあるから着替えて
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