暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはVivid 〜己が最強を目指して〜
第2話 「最強の少女は人見知り」
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なんだけど、ここは素直に受け取ることにするよ。お礼を拒む理由も特にないしね」
「……ふふ」
「ん? 何かおかしなこと言ったかな?」
「ううん、何も言うてへんよ。ただウチも無理やり恩を返そうとしたら、それは自己満足かもしれへんと思うてたから」

 一瞬の間の後、ウチらは同時に吹き出す。
 案外似ているところがあるのかもしれないと感じたからか、はたまた彼の人の良さの感じたからなのか、気が付けば大分緊張感は消えていた。これならば今後は普通に話せるかもしれない。

「そういえば君、名前は何て言うん?」
「あぁそういえば名乗ってなかったね。僕の名前はキリヤ・クロミネ、よろしくエレミアさん」

 浮かべられた爽やかな笑みに悪意のようなものは感じられず、こちらに伸ばされた手にも敵意は感じない。そのためウチも笑顔を浮かべながら彼の手を握り返した。

「こちらこそよろしくや……ひとつ聞きたいんやけど、君って年いくつ?」
「16歳だけど」
「お、ウチと同じやね。なら……今後顔を合わせる機会もあるやろうし、同い年なんやからもっとお互いに気楽に話さん?」

 暗に君もインターミドル・チャンピオンズシップに出るんやろ? と問うたことを彼は理解したらしく、瞳の輝きを強めた。けれどそれは一瞬のことで、微笑を浮かべながら返事をし始める。

「僕は別に構わないけど……本当に良いの?」
「良いも悪いもウチから言ったことやんか。やからキリヤくんは気にせずウチのことジークって呼んでええよ。親しい子からはそう呼ばれとるし」
「そう……ならジークさんって呼ばせてもらうよ」
「さんはいらへん。ジークやジーク」

 異性を下の名前で呼ぶことに慣れてないのか、単純に人を呼び捨てにすることがないのか、キリヤくんは苦笑いを浮かべている。それを見ていると罪悪感を感じなくもないけど、あいにくここで引くほどウチは甘くない。
 キリヤくんはこれからウチが恩を返さなあかん人や。人見知りのウチにしては凄く積極的なことをしとるけど、今度会った時にビクビクしながらお礼をするわけにもいかんし、ここで可能な限り踏み込んだかな。正直男の子ということもあって恥ずかしくはあるけど、頑張るしかあらへん。

「そこまで言うなら……分かったよ、ジーク」

 ……やばい、何かめっちゃ恥ずかしい!
 な、何やろジークって呼ばれるんは初めてやないはずなんに……って、そういえばウチの友達って女の子ばかりやん。気軽に話してる異性なんてヴィクターのところの執事やってるエドガーくらいな気がするし。人見知りのせいもあって、ウチもあまり男の子に慣れてへんかった。
 というか、そもそもキリヤくんにはこの短時間の間に何度も羞恥心を覚える言動を見られたりしている
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