暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはVivid 〜己が最強を目指して〜
第2話 「最強の少女は人見知り」
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だけ。それにこれだけ言ってくれてるんに断るのもかえって悪い。
そう思ったウチは心をどうにか奮い立たせて、意識を目の前に置かれているお盆へ戻す。
飲み物は……ミルクとスポーツドリンクが置かれとるな。ミルクはサンドイッチと一緒に飲む用で……スポーツドリンクはウチが倒れる前に汗を掻いてたから用意してくれたんかな。……凄く気を遣わせてるようで申し訳なさ過ぎる。
「……いただきます」
内心で涙を流しながらウチはサンドイッチに手を伸ばす。指先から伝わってきたフワフワの触り心地だけでも口の中には涎が溢れてくる。
ただ食欲に負けて何も入っていない胃袋に一度に大量の食べ物を入れるんは危険や。主にウチの食欲が暴走しかねんって意味で。……ちゃんと噛んで味わって食べへんと。そのようなことを考えつつも、ウチの体は動き続け、恐る恐るサンドイッチを口元へと運ぶと小さめに一口食べた。
「――っ!?」
美味い、美味すぎる!
どれくらい美味いかっていうと、気が付いたときには男の子の手を両手でがっしりと握り締め取るくらいに。
「……ど、どうかしたかな?」
「ぁ……え、えっとな、その、あれや! あまりの美味しさにその感動と感謝を伝えようと体が勝手に動いてもうて!」
「そう……大したものは出してないんだけど、そんなに喜んでもらえると素直に嬉しいね」
ウチからすればここでそういう風に笑みを浮かべてくれたことが嬉しい。だってウチ、今の自分の反応を主観的にも客観的にも変な子というか落ち着きがない子やと思うもん。
……というか、この子があと1秒でも言葉を発するのが遅かったら危なかった気がする。多分内心に渦巻いてた感情からして「今後もウチのご飯を作ってくれへん!」とか言いそうやったし。
今日初めて会った相手にそんなこと……プロポーズ紛いのこと言うたらウチにとって、言うまでもなく嫌な意味で生涯忘れられない日になっとったはずや。
行き倒れるほどの空腹やとそのへんの山菜でも美味しく食べられる。故にサンドイッチの場合、天にも昇る味へ昇華してまうんや。今後は絶対に行き倒れにならんようにせんと……。
「その……ほんまありがとな。行き倒れたところを助けてもろうただけやのうて、ご飯まで出してくれて。このお礼は今度……」
「別にお礼はいいよ。さっきも言ったけど、困ったときはお互い様だから」
「そんなんダメや。受けた恩はちゃんと返さんと」
そうやないとずっと心の中がモヤモヤしたままになってまう。……でも考え方によっては、これはウチが自分の気持ちをすっきりさせたくてお礼をするとも取れる。ほんまに嫌がるようなら引き下がるべきなんやろうな。
「うーん……ある意味では僕の自己満足で君を助けたようなもの
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