暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはVivid 〜己が最強を目指して〜
第2話 「最強の少女は人見知り」
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れにウチは行き倒れてたわけやから……それも相まって、かなりの確率で変な子だと思われている気が。……もう、ほんまに誰か殺して。
「えっと……エレミアさんだよね?」
「え……う、うん。……ウチらどこかで会ったことあったっけ?」
「うーん……少なくとも話すのは初めてのはずだよ。ただ君は次元世界の10代最強として知られてるからね。君の居る頂を目指している魔導師なら顔と名前くらいは大抵の人が知っているものだよ」
確かにウチはインターミドル・チャンピオンズシップで結果を残しとるし、世界戦の方でも優勝しとるからそれなりに有名や。
あんまし自分で自分のこと有名とは言いたくないけど、ヴィクターや番町にウチは有名やないよね? って聞いたら即行で否定される可能性が高い。ここは納得するしかあらへんはずや…。
……今の言い回しからして、この子も強さを追い求めるんかな。ウチの知る限り大会に出とった覚えはないけど、立ち振る舞いとかパッと見の印象として鍛えとるのは分かる。今年から出場しようと思うてる新人さんなんかな。
「……僕の顔に何か付いてるかな?」
「え、いいいや何も付いてへんよ。ただお、お兄さんは恩人やから顔を覚えとかなあかんなって思うて見とっただけで! 他意はあらへん、絶対にあらへんから!」
「エレミアさん、別に疑ってないからとりあえず落ち着いて」
そう簡単に落ち着けるわけないやろ。ウチ、人見知りなんやから。会って間もない相手――それも同年代の男の子相手に恥ずかしい姿も見られてるんやから!
なんて八つ当たりじみたことを考えるんは筋違いや。目の前に居る男の子はウチを助けてくれたわけで、感謝こそすれ文句を言うことはできへん。今こうなっとるんは完全にウチの落ち度や。
「はぁ……」
「えーと……うん、お腹が空いてると元気も出ないよね。口合うか分からないけど、よかったらこれ食べて」
気遣うような笑顔と共にウチに差し出されたんは手作りと思われるサンドイッチだった。肉が挟んであるものに卵が挟んであるもの、サラダが挟んであるものと味に飽きがこなさそうな具で構成されている。
「え、ええよ! べ、別にウチお腹空いてへんし、ベッドで休ませてもろただけでもあれなんにこれ以上のことは」
まるでタイミングを見計らったようにそこでウチのお腹は、盛大に鳴き声を上げた。
ウチが徐々に顔を赤らめたんは言うまでもない。そこに男の子が優しげな目を向けてくるもんやから、ウチはもう俯くしかなかった。
「気を遣わなくていいよ。困ったときはお互い様だし、どうせ余り物で作ったものだから」
……優しさが身に染みて辛い。
盛大に落ち込みそうになるが、ここでやってしまっては再び自分で自分の首を絞める
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