暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはVivid 〜己が最強を目指して〜
第1話 「始まり? を告げる朝」
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いる僕には仮想の敵の動きも音もちゃんと聞こえている。質の高いイメージトレーニングを出来ているということだ。
しかし……おそらくだが、このような訓練をしている魔導師はあまりいないだろう。
何故ならばデバイスの力を借りれば、現実に近い仮想空間で様々なトレーニングを行うことが可能だからだ。僕のように自分自身の力だけで仮想の敵と戦うような真似はある意味集中力の無駄と言える。まあ僕の場合、集中する行為を訓練することが自分のために為ることなので無駄にはならないのだけど。
「…………今日はこのへんにしておこうかな」
良い汗を掻けたと実感した僕はシュヴァルツアイゼンを待機状態に戻し、元来た道を帰り始める。
途中で一度水分を補給して、家に着いたらまず汗を流そう。その後は洗濯でもしようかな。そんなことを頭の隅で考えながらも、全力疾走とジョギングを交互に行って心肺機能に負荷を掛けられるあたり、本当にこの4年間で体力が付いたと思う。
「…………ん?」
家に向かっていると、遠目に黒い何かが地面に転がっているのが見えた。近づいていくに連れてそれは明確に認識できるようになる。
地面に転がっていたのは黒いジャージを着た誰かだった。痛がっている素振りは全くないので走っていて転倒したのではないだろう。長時間走ったことで脱水症状を起こしたとも考えられるのだが……どうにも今地面に倒れている人物を僕は見たことがある。
――もしかしてだけど……この子は彼女なんじゃ。
そう考えるとこの状況も納得出来てしまう自分が居る。理由としては、以前インターミドル・チャンピオンズシップを観戦しに行ったときにある話を耳にしたことが挙げられる。
会話をしていたのは大会で結果を残している実力者達の集団。盗み聞きするつもりはなかったのだが、偶々近くに居たためにとある人物がホームレスに近い生活をしていると聞いてしまったのだ。
「………………」
どうしよう……行き倒れた人間を放っておくほど良心のない人間ではないけど、この子を助けると面倒な事になりそうな気がしてならない。
何でそんな気がするのかはよく分からないけど……少なくとも僕の家の冷蔵庫の中身が綺麗にはなりそうな気がする。
だからといって、ここで見捨てた方が精神的に辛いものがある。それに倒れている人物があの子だと決まったわけではないのだ、なんて淡い期待を抱きつつ、倒れている人物を連れて帰ることを決めた僕はそっと手を伸ばす。
「……やっぱり彼女だったか」
体を起こしたときに見えた顔は、10代最強を目指している魔導師なら誰もが知っているであろう人物《ジークリンデ・エレミア》の顔で間違いない。
このような言い方をすると誤解を招くかもしれないが、別に僕は彼
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