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赤い目
6部分:第六章
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の力をな」
「その前に貴様を喰ろうてやるわ」
 怪物はゆっくりと向かって来た。動き自体はそれ程速くはない。やはり死人であるせいだろうか。
 だがその足から瘴気があがっていた。白い気がシュウシュウと音を立てている。そこからこの怪物が只の怪物ではないことがわかった。
「心配することはないぞ」
 だが老人は高志にこう声をかけてきた。
「相当な力を持っておることはわかっておった」
「はあ」
「じゃから用意をしてきたのじゃ。案ずることはない」
「あのお札の他にも何かあるんですか?」
「うむ。心配するな」
 そう言いながらまた懐から何かを取り出してきた。
「これじゃ」
 それは一本の縄であった。
「縄」
「走縄といってな。山伏達が持っておるものじゃ」
 老人はこう説明をした。
「山伏が」
「わしは易の他にも修験道もやっておってな。その道具なんじゃ」
「さっきのお札もですね」
「うむ」
 彼は頷いた。

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