暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第203話 闇を封じる光
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な理由が。

「……他人の()に、土足で踏み入ってるんじゃねぇよ」

 リュウキは、この一瞬で目を、血の様に赤くさせた。

 その赤い瞳を 死神へと向けた。


――……その眼を見た死神は、一瞬だけ……あの世界での事を思い出す。


 仲間を殺され、そして 憎悪に燃えた赤い瞳。まさに一瞬で殺されゆくラフコフのメンバー達。……そして、敗れ去る自分自身の姿を。

 そのコンマ数秒の意識のズレ。刹那の時間帯。意識の隙間。リュウキの動きの方が早かった。

 相手の銃身を素早く掴んだのだ。


――この銃が、シノンの闇。


 それは、シノンの昔の話を訊いたその瞬間から、判った事、だった。故に銃を見た瞬間に、闇が自分自身を覆い尽くそうとしたんだ。
 その気持ちは、リュウキにも判る。

 曾ての闇と対峙した自分だからこそ、判る。

 あの時は、仲間がいたから。……愛する人が傍にいたから、乗り越える事が出来た。1人じゃなかったから、乗り越える事が出来たんだ。
 
 だけど、シノンはずっと1人で戦い続けてきたんだ。孤独を噛み締め、それでも自分を押し殺す様にし続けてきた。

 そんな彼女が 自分の震えを止めてくれた。曾ての闇を思い出し、そして相対したその時、震えてしまった自分を。

 そして、この手をとってくれた。だからこそ、答えなければならない。彼女に。

「シノン」

 リュウキは、シノンの方に振り返る事なく、呟いた。

 死神は、空いた方の手に握られているククリナイフでリュウキを攻撃しようとするが、それは、リュウキ自身が持つコンバットナイフで受け流され、ダメージを受ける事は無い。

 

 シノンは、まだ 僅かに震えていた。リュウキが約束通り、守ってくれて。そして名前を呼ばれた時に、その震えは弱まる。シノンは、リュウキの方を見た。死神と対峙しているから、こちらを向いていない。

 だけど、その表情がシノンには判った気がした。優しく、笑っている様な気がしたんだ。


「お前の闇は。……オレが」


 リュウキは、死神の持つ銃のスライドを思い切り押し込む。撃鉄(ハンマー)が引かれたままの状態になり、そのままの勢いで更に真横に荷重を掛ける。がちっ と言う金属音がしたその瞬間だ。


「封じよう」


 リュウキがそういった瞬間に、あの黒銃(ヘイシン)のスライド部分が銃身、スライドの直ぐ下にあるテイクダウンレバーより分かれた。完全に2つに分かれた《黒星》。

 さしの死神も、この一瞬で 銃を分解してしまうなどとは思ってもいなかった故に、再び隙が生まれる。 

 その間に、リュウキの伸ばした手は、マガジンキャッチに触れる。強引に押し込むと、|弾倉《マ
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