暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第203話 闇を封じる光
[3/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
える 屋敷の玄関口に 直立不動で 待ち続けている人がいた。

「……いらっしゃいませ。玲奈お嬢様。この度はありがとうございます。坊ちゃんの為に」
「い、いえ! それで、隼人君はっ!?」

 源治は そう言い す、っと頭を下げる。
 玲奈は 直ぐに隼人の事を訊いていた。

 いつもであれば玲奈は恐縮してしまうだろう。玲奈自身の家柄も確かに、所謂上級家庭だと思えるが、ここまで の扱いはされた事が無い。そう言う目線自体は玲奈は好むところでは 無かった、と言う事もある。でも、実際に 体験してみたら、嫌だ、と言うより 何処か恥ずかしいかった、と言うのが 玲奈の感想だった。

 だが、今はそんな場合じゃない。ここに来たのは 彼に。……隼人に会う為だから。傍にいる為だから。


 玲奈は逸る気持ちを必死に抑えようとするが、どうしても 無理だった。

 あの時、ALOに姉が捕らわれ、そして 隼人の行方が判らなかったあの時。もしも、隼人の場所が、居場所が判っていたら? もし 判ったら?

 きっと、抑える事なんて出来ない。

「判ってます。玲奈お嬢様。……本当に」

 源治は、肩に手をかけた。
 そして、穏やかな眼を 玲奈に向ける。

「坊ちゃんを、愛してくれて、ありがとうございます」

 源治の言葉は、玲奈の脳裏にあの世界での記憶を呼び起こす事になる。

 リュウキが、最後に言った言葉だった。彼が消えてしまう前に、言った言葉。

「っ…… わ、わたし、わたしは……」
「大丈夫です。坊ちゃんは、大丈夫。……さぁ 傍へ」

 玲奈の事がよく判った綺堂は、手を差し出した。隼人の愛する人の手を取るのは、些か、ヤキモチを妬かれてしまうだろう、と思えるが 今は致し方ないだろう。

「は、はいっ……!!」

 玲奈は 手をとって 屋敷の中へと入っていった。そして、左手には携帯端末がある。
 姉の明日奈に通じており、彼女も病院へと到着した様だった。

 そして、互いの携帯端末には あの子にも通じている。

『ママ、お姉さん。きっと、大丈夫です!』

 玲奈は 端末から訊こえてくる幼い声に反応して、ぎゅっと 端末を握り締めた。

 彼女は、AIであるユイだ。そのコアプログラム自体は、和人の自室に設置された据え置き機の中に有り、必要に応じてALOにナビゲーション・ピクシーとして、ダイブしたり、こうして、現実世界でも 端末越しに会話もできる。
 以前までは、バッテリー容量に限界がある、と言う問題点があったのだが、そこは隼人の効率化プログラム、そして 機材の増設を図った事で 問題点は皆無となっている。殆ど現実世界で共に行動をできる程になっている。
 今はまだ 声だけになっているが、その先はもう時間の問題
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ