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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第203話 闇を封じる光
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――……そう、あの世界は死と隣り合わせだった。
それはソードアート・オンラインの話。
人類は、完全なる仮想世界を実現した。それは、1人の天才によってだ。……公にはそうなっている。天才の夢見た世界を実現する事が出来たのは、まだあどけなさが残るもう1人の天才のおかげ、と本人も言っていた。
そう、あの世界に憧れて、万と言う人間が飛び込み、そして 悪夢へと変わった。
《ゲームオーバー=死》と言う世界に変わったのだ。
そして、その世界に憧れた少年。彼はデジタル世界に夢を抱いていた。……現実世界を闇とし、デジタルの世界に光を見たのだ。幼き日経験が、彼の感性の全てを変えた、と言っていい。
それは、デス・ゲームと化してしまった世界となっても、その本質は変わる事は無かった。光の世界だと。如何に 死と隣り合わせだとしても、自らがいるべき世界とまで想っていたのだから。
そして、そんな世界で 誰かが死ぬなどとは考えたくなかった。誰かが この世界で恐怖し、苦しみ、絶望の中、消滅し 現実世界で 脳を焼かれて死ぬ。そんな事を考えたくなかった。
故に、彼が真っ先に示した行動方針は、様々な情報の配信だった。
一通りは、自らの脚で動き、頭を使い、考え……、そして この世界は現実へと還れない、と言う理不尽を除けば、それ以外は、全て
公平
(
フェア
)
だと言う事が判った。難易度は以前までの世界とは比べるべくもないが、それでも。
だからこそ、誰も……、誰も死なない様に。死なない様に、いつの日か、この世界をクリアし無事に帰られる様に。
そう考える様にプレイをしていたんだ。
勿論、彼自身にも恐怖はあった。……死を意識する事、それが無かった訳じゃないから。でも、それ以上に怖い事を、恐ろしい事を知っているからこそ、経験をしてきたからこそ、それを乗り越える事が出来たんだ。
そんな彼と対局の存在。
それが、
犯罪者
(
レッド
)
の存在だ。
ここで、過去の一旦を記そう。
第1層BOSS攻略の際。
リーダーの死。そこからの不協和音。……負の感情を巧みに操り、争いを誘発しようとした者がいた、そんな気配がしたのだ。リーダーが死んだ事、その悲しみの部分が大きかったからこそ、その先導者の言葉は、脳裏に 隙間に容易く食い込んでいったのだ。
そこで取った彼の行動。いや、彼らの行動。《ビーター》と言う名を生んだ事で、非難の的を絞る事で、瓦解する事を何とか防ぐ事が出来たんだ。
そして、第2層でもそれはあった。……誘発しようとしている者の存在、それが決定的なモノになった、と言える。
ゲーム内における、詐欺事件が発生した。
それは、強化詐欺と呼ばれるモノ
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