遺跡出現までの10日間【3日目】 その12
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と合わせて僕にジリジリと近づき、額の汗を片手で拭いながら言う。確かに走り続けていたせいでスタミナはほとんど切れかけており背中の傷はズキズキと痛みを発している。だが――――――
「まだまだあああああああああああああああああああああああ!!!」
まだいける! 今度こそ仲間を――――ナナを守る!! これ以上絶対に死なせない!!! もうあんな思いは沢山だ!!!!
「「「クアッ」」」
気力を振り絞りながら右手を振る。すると運良く右手の傷口から出ていた血液がメイス使いを含めた三人の目に入り視力を奪うことに成功する。
「セイッ! ンンッ……!! テリャアアアアアアアアアアア!!!」
「アギッ!?」
「グべッ!?」
「ウオオオオ!?」
左拳からメイスを持っているエルフへの上段突き。そこからの腰をひねって左にいるエルフの中段に向けて体を横回転させながら肝臓へ放つ鉤突き、そして最後の一人に向かって飛び二連蹴りを放つ。
倒れ伏している三人の頭を無我夢中で落ちていたメイスで殴る、ひたすら殴る。顔に、服に、血が、その他の物が飛び散り降りかかる。そして―――――
「さあ、やろうか……」
朦朧とする意識の中でユラリと立ち上がる。立ち上がるのもやっとなはずなのに顔に笑みが張り付いたまま消えない。でも消す必要はない、消してはいけない。この笑みが消えてしまったら僕は恐らく立ち上がれない。
「ひ、ひいぃいぃいいい」
「あ、ちょいまてっ!」
「ひ、一人にするなぁあああ!!!」
何故か残りの3人は武器を投げ捨て逃げていってしまう。追おうとしたが後ろので何かが動く気配がしたのでそちらの方に気を取られる。
「………おイ、逃げルなよ」
「ヒイッ!?」
頭を踏みつけたエルフと金玉を蹴ったエルフがそろりそろりと逃げようとしていたので首根っこを掴んで地面に転がす。二人とも先程のダメージが回復しておらず抵抗するそぶりを見せず、ブルブルと震えている。
「ナナはどコだ?」
笑みが張り付いたまま消えない顔のまま、短く簡単に質問する。
「こ、ここを真っ直ぐ行くと見えてくる大きな屋敷――――」
「わかった」
「!?」
地面に落ちていた剣を拾うと喋っていたエルフの首を切り落とす。
「ひ、ひいいいいいいい!!!」
「だまれ」
腹ばいで逃げようとしたエルフの首も、落とす。
「今……行くぞ」
絶対に助ける絶対に助ける絶対にタスケルゼッタイにタスケルゼッタイに―――――――――――
コロス
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