第1章:修正の始まり
第7話「母親」
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「母さんのための食事だよ。衰弱してるからな、ちゃんと栄養を取らせないと。」
そのための料理のレシピは頭に入っている。うん、大丈夫だ。
コンコン
「入っていいか?」
「さー君?いいよー。」
それからしばらくして、俺は母さんのいる部屋をノックしてから入る。
「....母さん。」
「桜....本当に、桜なのね....。」
「母さん....!」
涙が溢れ、止まらなくなる。
「...どうして...どうしてこんなになるまで...!一歩遅かったら、死んでたかもしれないんだぞ!?」
「...ごめんね...桜....。」
「心配してたのは分かるけど、こっちまで心配させないでくれよ....!」
母さんの寝ているベットに手を叩き付けながらそう言う。
「本当にごめんね...。...それと、帰ってきてくれて、ありがとう...。」
「っ....ぅううぅううう....!ぁああああぁああ...!!」
涙腺が決壊する。弱々しくも撫でてくる母さんの手に、俺は居た堪れない気持ちで一杯だった。
「ごめん...!母さん...待たせて、ごめん...!」
「いいのよ...こうして、ちゃんとまた会えたんだから...。」
誰にも邪魔されない中、俺は母さんに撫でられながらしばらく泣き続けた。
「....落ち着いたら、お腹が減ってきちゃったわね。」
「ぐすっ....恥ずかしい所見せてしまった...。」
しばらくして泣き止んだが、黒歴史にしかならないと思う。
「......。<ニヤニヤ>」
「...あ゛。」
しまった。この部屋には束がいるんだった...!
「....そぉい!!」
「ぬわっふぅ!!?さー君!?顔、顔を蹴るのはやめて!?」
全力で顔にハイキックをお見舞いするが、躱される。...チッ。
「そのにやけた面、もしくは記憶をどうにかしたくてな...。大人しく蹴られろ!」
「さすがに束さんでもそれは嫌だよ!?って、戦闘態勢に入らないで!?」
なんでよりによって束に見られたし...!
「...ふふ...相変わらず仲良しで安心したわ...。」
「....はぁ、束、絶対ここで見たことは誰にも言うなよ?」
母さんの一言になんとなく蹴る気が失せた。
「うーん、どうしよっかなぁ〜?」
ヒュン!
「い・い・な?」
「はい....。」
今度は手刀を顔ぎりぎりに繰り出して脅す。...さすがに俺が本気だと分かってくれたか。
「...まったく。」
「あれ?さー君どこ行くの?」
「ち
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