第二十四話
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かが余生残すところ僅かって感じかしら」
まあ、大体あってる。私は何の因果か余生が少し伸びたけれど、ひとつのことを諦めずにやり込んでいればそれ相応の考え方とか感じ方が身に付く。実際私がそうなんだから間違いない。
「そうとなると、ホントはすでに解明されてるけれど、一応未開拓扱いの六十階層にある鉱石は一通り欲しいわね。それだけ試さなきゃいけないことがあるってことだし。早く行きたいものね」
「さすがナチュルさん。気持ちの切り替えも早いですね」
「もちろん。即断即決が私の美点だから」
そう言ってニッっと笑うナチュルの顔は憑き物が落ちたように晴れやかなものだった。いいなぁ、その気持ちの切り替えの早さ。私も見習いたいなぁ。実は私も似たようなことでちょっと気がかりなことがあるんだよね……。まあこれは一人で解決できそうだしいいか。
「それじゃナチュルさん、一足先に行きますね」
「そう? 武器のメンテナンスは……大丈夫そうね」
「ナチュルさんが帰ってきた時に頼みます」
おかしそうにはにかむ彼女に背を向けて、私は朝露に濡れる工房の外へ出た。
◆
ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど、もしかして今のままじゃ私、いつまで経ってもセレーネ様と再会できないかもしれない。
考え無しで言ってるわけじゃなくて、現実的な問題としてセレーネ様がオラリオに帰ってこない可能性が結構高いんだ。これはセレーネ様から直接聞いたことなんだけど、神様たちは自分の眷属の場所を、凄い大雑把だけど感じることが出来るんだって。理屈は超次元過ぎて省くけど、とにかく眷属に与えた自分の恩恵の気配を感じれるらしい。それは本当に大雑把で、大体あっちの方向かなぁ、程度なんだってさ。場所が近ければ近いほど少しずつ鮮明になるらしい。
まあ何が言いたいかというと、私が転生した瞬間から確実にセレーネ様は私がどこら辺にいるのか大雑把に把握できているはずで、十三年間シュワルツ家に滞在していたにも関わらず姿を現さず、またオラリオというほぼ確実に集合できる場所にすらいないとなると、セレーネ様になんらかの事情があって身動きが出来ない状態にあると考えていいはずだ。
つまり、私がここでステイタスの修復を試みていたところでただ時間の浪費、もしくは刻一刻とセレーネ様の身に危険が及んでいる可能性すらある。それは最悪どころの話ではない。すぐに探し出して駆けつけなくてはいけない。
だけど、逆に会いにいける状態だけど、あえてそうしないという行動を取ってる可能性もある。こちらは楽観的な予想になるけど、今私に会うとセレーネ様に何か不都合がある場合、迂闊に私が会いに行こうとすればセレーネ様に迷惑が掛かってしまう。
さっき言ってた悩みと言うのはこれだ。今ここで焦りを我慢して自身の
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