第3章 リーザス陥落
第68話 ジオの町の異変
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たのか……、絶対後者だろう。
「シィルちゃんが無事で嬉しいのは判るが、帰るまで我慢しろって」
後者だ、と完全に思ったユーリはそうツッコンだ。思った、と言うよりは間違いない、と言う確信だろう。何せ、シィルがいない時のランスといる時のランスは、全然違うから。……水を得た魚の様に、活力、精力に溢れているし、元気が有り余っているから。
「馬鹿者!! 何度言えば判る! コイツはオレ様の奴隷なのだ! そんなのではないっ!!」
がーーっと言うが、全然説得力がない。でも、あまり責めすぎると後々厄介な事になりかねないから、一先ずこの位にしておいた方が無難だ。ユーリもそろそろ長い付き合いだから判る、というものだ。
何も言わず手を上げるだけに留めると、志津香やトマト、そして かなみもどことなくからかう素振りを見せた。バツが悪くなってしまったランスは。
「えぇい! さっさと帰るぞ!」
大股で、ずんずんと歩いて行ってしまった。
「ほら、シィルちゃん」
「あ、はいっ!」
シィルも、ユーリに諭されて、パタパタと、足音を立てながらランスの方へと追いかけていった。ランスが黙っていれば本当にお似合いのカップルなのだが、それは有り得ない。この世界全体が平和になる事位難しいかもしれない。即ち、争いがなく……、あいつらの凶行も無くなる世界になる事位。
「……それが最終目標だったら、道中は本当に楽しそうだな。……苦労もするだろうが」
ユーリは苦笑いをしていた。
「ユーリ殿、ここから帰りの道中のモンスター達は自分達にお任せ下さい」
「……ん? どうしたんだ、突然」
苦笑いを知ていた所にリックがやってきて、そう提案をしていた。直横には清十郎もいる。
「これはオレからの提案、だ。……肩透かしが多かったのでな、鬱憤を道中のモンスター共で晴らしたい」
清十郎が口を開いた。
「……成る程、な。清はある意味楽しみにしてるフシがあったし。だけど、その辺のモンスター達には期待は出来ないと思うが」
「ふん」
「大丈夫です。肩ならし、ですし、晴らすのには丁度良いかと」
「はいはい。了解」
ユーリは苦笑いをしながら納得していた。
あのかなり強かったガーディアン達とは一応戦ったとは言え、魔人とはまだだから。ガーディアンの強さも異常と思えるが、あのサテラが自らの使徒(と、思ってる)よりは弱いとは思えないし、何より無敵結界と言う堅牢、と言う言葉すら生易しい力も保有しているから、緊張感は更にますだろう。
「お言葉に甘えて、楽をさせてもらうよ。ランスにバレない程度に」
ユーリは手を上げてそういった。
サテラ達と対峙する前、皆には平静を保っている様にしていたが、やはりそれなりに精神力は削
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