第3章 リーザス陥落
第68話 ジオの町の異変
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「ランスさん、みなさん、魔の者達を逃がしてはなりません。ここで倒さないと……!」
「ええ、そうですね。魔人が消耗しているという機会はなかなかありません」
そう言っていた。
「逃げるな!! 卑怯者!」
どっちがだ! とツッコミたいが、それは今はしない。ランスは跳躍すると、纏めて吹き飛ばそうとしたのだろうか。
「ランスあたたたぁぁぁっく!!」
剣を跳躍しながら振り下ろし、衝撃波を生む。
「清十郎殿!」
「ああ!」
リックと清十郎も衝撃の余波を躱しつつ突っ込んでいく、が。晴れたその先には何も無かった。あの巨体ガーディアンの影も形もなくなっていた。
「……逃げられたな」
ユーリは、動いていなかった。
あの衝撃波がサテラ達を包み込む前に、シーザーが恐るべき速度で駆け出していったのを確かに見たのだ。そして、如何に魔人であっても、死ぬ寸前、厳密には封印だが魔人にとってはそれは死も同義だ。そんな時、自分の名を呼んだのだ。……敵と言えども、あのまま死なせるのは目覚めが悪い。……滅茶苦茶な奴で、ラークとノアを痛めつけた礼もあるが、あの結界の一撃で一応チャラにする事にした。
そして、サテラが最後まで、名残惜しそうにユーリの方を見ていたのは、気のせいではないだろう。
「ぐぐ、逃げられたか!」
「不覚、ですね」
「……移動が早すぎる。恐らくは魔法に似た力なのだろう」
剣に手応えがなく、突っ込んだ2人も帰ってきた。
ランスが不機嫌だったのは言うまでもない。自分の必殺技を躱された上に、逃げられたのだから仕方ないだろう。
「……もう一息、だったのに」
「……うん」
「トマトとしては、ガーディアンの2人とは会いたくないですがー、あのサテラとは決着つけなきゃですかね!」
「はぁ、馬鹿な事言わないの」
「……ぁぅ」
志津香とかなみもそう呟き。トマトはサテラを更に意識していた。
……魔人が其々の想い人を狙っているのだから仕方ないだろう。トマトの言葉に苦言を呈するのは志津香だが、完全に自分の事を棚に上げてるのも言うまでもない。……かなみはかなみで、複雑そうな想いだった。あそこまではっきりと言えるトマトが羨ましくも思えるから。
何はともあれ、サテラが消滅しかけた時は色々と複雑な想いを持っていた3人だったが、今は、皆無事であり、シィルは勿論、聖武具も無事、そして何よりも……盗られなかった事で、色々言ってはいるものの、安心の様なものも当然生まれていた。
「魔の者を封印できる絶好の機会でしたが……」
「確かにそうですね。ですが、次のチャンスもあります。その時に頑張りましょう」
「あ、はい。クルックーさん。がんばります!」
セルは、残念そうに、俯い
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