暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第67話 魔人の涙
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ゃーーっ!!」

 哀れ、吹き飛んでしまった。シィルの方に。

「きゃ、きゃあっ! ら、ランスさまぁぁ!」

 その勢いのお陰もあって、シィルの縄は切れ、ランスと共に地面に仲良くダイビングヘッド。

「……殺す気か? サテラは兎も角。お前ら」
「う、うっさい!」
「はっ! あ、その……ランスの事だったのでつい……」

 全員の会心の一撃をもれなく頂戴したランス。でも、大丈夫そうだ。……ギャグっぽい攻撃だったから。

「はぁ、はぁっ! は、初めて見たのが、あんな奴のなんてっっ!!」

 サテラは憤怒していた。……女性陣達は同情していた。位置的に、志津香やかなみ、トマトには見えなかったけれど。

「トマト、乗り遅れてしまったですかね……、ううん、飛び道具、遠距離攻撃考えないと、ついてけないです……」

 少し意気消沈してしまっているトマトもいた。……なんで? とも思ってしまったが、話が進まないのでスルーだ。

「え、ええいっ! も、もう ここまで来たら、どうとでもなれだっ! ユーリも聖武具ももらうっ!! 全部纏めてサテラによこせっ!」
「誰が渡すか!」
「渡さないですっ!」
「ですかねー!!」

 サテラと志津香、かなみ トマトの口喧嘩に発展した。

「……何だろう、魔人を前にしてるから、絶対に状況的には悪い筈なのに、殺伐としてない」

 当事者、と言うか中心人物なユーリなのだが、何処か客観視してしまっていた。

「馬鹿な奴等めっ! お前らの攻撃なんてサテラには効かないんだ! 痛い目見る前に、降参しろっ!」

 サテラはブンブンとムチを振り回す。……その威力、風圧は、先ほどのランスに撃ちかましたそれより遥かに上だ。

 つまり、ギャグっぽくない威力。魔人(サテラ)の本気の攻撃。

 サテラは頭に血が上っている様で、手加減とか考えていない。あの襲撃した時の様な。

「おい。……そろそろふざけるのはやめて、お前ら下がってろ。アレは怪我じゃ済まない」

 流石に、それを見たユーリはそう言う。
 後衛を主体とした魔法使い、そして 忍者、かけだし剣士が喰らってしまえば、良くて致命傷だ。と言っても過言じゃないのだから。

「……大丈夫です。ユーリさん一緒に下がってください!」

 かなみが、指を後方に指した。
 その先の部屋、あかれた扉の中に、セルやクルックーの姿が見えた。リック、清十郎も見ていた様だ。……何処か呆れた(清十郎)困惑(リック)な表情を浮かべていたが、直ぐに表情を引き締め直していた。

「ふん! オレ様のモノだ。ユーリのバカは要らんが、それ以外はやらんわバーカ!」

 そんな時、聞き覚えのある声が。

「なんだ、生きてたのか」
「当たり前だ! オレ
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