第3章 リーザス陥落
第66話 サテラの思惑
[12/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
した場所にまで到達。幸いなことに、モンスター達は前回程はいなかった。
「ユーリ、大丈夫ですか? いたいのいたいのとんでけー」
いなかった、とは言え、それなりにはモンスター達は存在する。前回のが異常過ぎただけなのだ。
「ああ、ありがとう」
「いえ、当然の様に治しただけです。以前の様に」
「はは、そうだったな」
クルックーはそう一言 言うと、ユーリは、ニコリと笑ってクルックーの頭を軽くぽんっと叩いた。そう、確かマルグリッド迷宮の第1層を共に冒険した時もこんなやりとりをした。ユーリはそれを思い出して、笑った様だ。しっかりと、覚えてくれていたから。
クルックーは、きょとん……としていたが、僅かに口元を緩め、そしてユーリに触られた頭部を軽く撫でる。
今までになかった不思議な感覚をクルックーは味わっていたのだ。いや、前回も同じような感覚を味わえた事がある。
――……ユーリと一緒に、マルグリッド迷宮を冒険をした時だった。
それをもう一度味わいたくて、クルックーは言ったのだ
『私で良ければ、ユーリ達に連れて行ってください。多少なら神魔法も使えますので』
ラジールの町から出る時に、そう、クルックーがいったのだ。AL教の仕事は大丈夫なのか? とユーリが訊いたが、軽く首を縦に振る。神の使命はもう遂行したと、一言だけ据えて。
今までこんな感覚になった事など一度もなかった。
ただ、命の恩人だと言う事は感謝もしているし、ありがたかった。だけど、この感じはそれだけではなかったんだ。ユーリについていけば、探る事が出来る。自分の判らない感覚、感情を。
後もう1つ理由はある。
「(クルックー。コイツについて行けば、バランスブレイカーを回収出来る機会が増える可能性が高いぞ。見る限り極めて優秀な冒険者の様だし)」
と、言う助言があったからだ。
因みに勿論助言の相手はトローチ先生。離れた〜と言っても、実は彼は身を屈め、クルックーがいつも携帯しているバッグの中に入り込んでいる。……窮屈じゃないか? と思ったけれど、ぬいぐるみみたいな物なので、大丈夫だろう。
「むむむ〜、ですかね……」
後ろで見ていたトマトは、警戒心を顕にしている。それを見たかなみが声をかけた。
「ど、どうしました? トマトさん」
「トマト式・乙女センサーがビンビンに働くですよー。あのクルックーさん、と言う人からですー」
どうやら、ロゼが言うセンサーの別ヴァージョンが働いている様だ。
面白センサーじゃなく、乙女センサー。恋する乙女を見つける? センサーの様だ。
「はぁ、馬鹿言ってないで、さっさと行くわよ。あの子のおかげで助かってるのは事実だし」
「志津香さん
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ