第3章 リーザス陥落
第66話 サテラの思惑
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》が、どう言う存在なのかを。その眩く、直視する事が出来ない白い世界の中にある本性を。
「……ユーリ?」
「いや、何でもない」
クルックーが首をかしげながらユーリの方を見るが……ユーリは何も言わずに首を振った。真実を知るのは酷だし、それが真実だ、と証明する事も……難しいから。
「ユーリさん」
「……ん、ああ。かなみか。武具は返してもらえそうか? 隠し場所は何処なんだ?」
かなみが、ユーリの下へ。
ローラに聖武具を返してもらえたか、隠し場所を教えてもらえたか、と聞いた。すると、かなみは苦笑いをしながら答えた。
「えっと……、聖武具、ですが。……ローラさんのいたテーブルの下にあったとの事です……」
「……は?」
ユーリは思わず二度見をした。
かなみの手にあるのは聖鎧と聖剣。……間違いなく、あの時の武器防具だと言う事は判った。と言うより、かなみが間違えるとは思えない。
「……ん〜、その、何処にあったって?」
「えっと……」
ユーリが頬をぽりぽりと掻きながらもう一度聞くと、かなみも苦笑いをしていた。それだけでもよく判る。聞き間違いじゃなかった、と言う事を。
「ごめん。ユーリ……。ずっと私の足元にあったの」
「……あれか。あの段ボールで隠してたってわけか。……灯台下暗しとはこのことだ」
「うぅ……ぼく、ずっと説得してたのに、全く気がつかなかったよ。こんな近くにあったなんて……」
「わ、私もです……。副将として、恥ずかしい限りです」
メナド、ハウレーンも肩を落としていた。
「いや。確かに時間はかかった。それでも、このタイミングが一番良いタイミングだとオレは信じたいよ。後はサテラとの取引のみだしな」
ユーリはそう言って、彼女達を慰める。……勿論、その対極の位置にいるランスは、そんな事はしない。
「そんなトコに隠していた事に誰ひとり気づかんとは、情けない!」
ランスがギャーギャー言うのだ。ここぞとばかりに。まぁ……この時は、ごもっとも、と言う事で、誰もツッコまなかったのだった。
何にせよ、これで、手札は 全て揃った。
後は、ハイパービルに囚われているシィルを奪還、そして聖盾も取り戻す事が出来れば、それが理想の形だ。
……そう上手くはいかないだろうとは思うが、皆がそれを意識していたのだった。
〜ハイパービル〜
一行は、聖武具を携え再びハイパービル前へと向かった。正直、ランスはうるさかったけど、一先ずシィルのことを考えたらしく、それなりに言った後、向かうことになったのだ。
そして、エレベータに乗って、以前クルックーと再会
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