暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第65話 ハイパービルでの再会
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「馬鹿者! 何を逃がしている! オレ様が突入すれば、あっという間に解決だっただろうが!」

 そんな時、当然! と言わんばかりにランスが攻めて来る。ユーリはとりあえず真面目に応対をする事にした。

「……事前に言ってるだろ? 魔人が持つ特有の《結界》がある事を。ランスの攻撃が通らなかったのは偶然じゃなく、ましてや 寝不足でもない。……まぁ、実際に剣を結界で遮るまでもなく躱されたんだったら別だが、兎も角。普通の攻撃は当たらん」
「オレ様は普通ではないのだ」
「ああ、それ知ってる」
「こらぁ!! どう言う意味だ!! 妙に納得するな!」

 こんな時でさえ、ケンカできるのだから、本当に大したものだ。清十郎とリックもとりあえず其々の武器を収めた。

「どうする? 53階、と言っていたが聖武具とやらは持ち合わせていない。一度出直すと言う手もあると思うぞ」
「僕もその選択肢が生まれたと思いますね。……彼女は、武器、そしてなぜかユーリ殿に固執している様に思えます」

 そうユーリに言う。ユーリはその言葉を聞いて軽く考えた。

「馬鹿者! さっさと言って、さくっと犯して終わりだ。出直すもクソもあるか!」

 ランスはさっきユーリが言っていた結界の話はすっかり忘れた様だ。或いは本当にできるのだろうか?……もしくはユーリに丸投げするのか?ランスの真意はわかりづらいが、シィルの事を強く想っている事は判る。

「まだ入口だしな。……偵察の意味でも、奥を見た方が良い。サテラの口ぶりだと、53層にいるのは間違いないだろう。……つまり、相手にするのが一番難しい相手はそこだけだ。ガーディアン達も強力で堅牢だが、理不尽な結界は持っていないからな」

 ユーリがそう説明。
 つまり、行くと言う事だ。その言葉にランスは笑い、そして清十郎・リック達も頷いた。

「とにかく、屈するのはよくないと思うですかねー。トマトはユーリさんにさんせーですよ! ユーリさんとなら、何処まででも登って行きますです!」

 トマトは、剣をぎゅっ!と握り締めて、抜き出し ブンブンと振り回す。
 ……その手が震えている事には勿論気づいた。精一杯の去勢を張っているのだ。ここで、足でまといにならない様に。トマトは、各段にレベルが上がってきているが、やはりこのメンツの中では実力は劣るから。

「ああ、そうだな。トマトはセルさんの事もフォローしてあげてくれ。彼女は、戦いの場に慣れていない。……頼めるか?」

 ユーリは、トマトにそう言う。
 信頼に満ちたその目。それを見たトマトは、ぐぐぐ、っと力を込めた。

「勿論ですかねーーー!! ユーリさんが、期待してくれるです! 頑張るですかねー!」

 腕の震えも震えもなんのその、だ。トマトは、セルの傍にピタリ
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