第3章 リーザス陥落
第65話 ハイパービルでの再会
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いじゃないか。学習能力が無い底なしの馬鹿」
サテラがそう言い切ると、ランスは剣を抜いた。
「行くぞ!!」
ランスの声に反応し其々が武器を構える。
「馬鹿、どうせ無駄なんだからな。サテラに攻撃あてらんないんだから、無駄な努力せずに、指定した男と聖武具を持って来い」
サテラはため息を吐きながらそう言う。
以前レッドの町を襲った時も、かすり傷1つ負わなかった。聖武具が魔人に対向できる代物なのだとすれば、警戒する必要があるかも知れないが、それすら持ってきていない。そんなのを相手にしたところで時間が無駄になるだけ。
そんな時だ。
「……聖武具は無いが、サテラ、お前はオレに用があるんだろ? なら、オレが遊んでやる。……その代わりにシィルちゃんを返せ」
ランスの肩をぐっと握り、そのまま前へと躍り出たユーリ。
「ゆぅっ!」
志津香も思わず向かおうとしたのだが、ユーリが手を出した。
来るな、と言う仕草だった事は直ぐに理解できた。心情的には理解したくないが。それでも、魔人が持つ特殊結界の事はユーリから事前に聴いている。それが存在する限り、人間は決して抗えないと言う事も。
「ユーリ殿」
「ユーリ」
清十郎達も同様に向かおうとしたが、ユーリは軽く首を振った。目的がなんであれ、サテラは自分を要求しているのだ。
自分であれば……手はある。
だが、仲間達はムリだ。あの結界の前には強さは全く無関係だから。アレを回避するのに必要なのは、強さではなく、異能だから。
「………」
サテラは、と言うとコンマ数秒間だけ、放心してしまっていた様だ。
ユーリがここに来ている、事を知らなかったからであり、ランスと言う男の後ろから、まさかの登場に驚きを隠せない。
「……聞こえないのか? サテラ」
「……はっ!!」
ユーリの言葉を聞いて、我に返る事ができた。ばく、ばく、と何もしてないのに、心臓が脈打つ。全く沈める事が出来ず、更に頬も……。
「す、素直に、聖武具を持ってきたらだ!! ご、ごぎゅっ…… 53階までなっ!! 通す、通すのは ゆ、ユーリだけ、だ! 通す様に、シーザー達にい、言っておくから! そしたら、返したげる!」
メチャメチャに噛みまくって、動揺しているのがまるわかりだった。
ユーリは、その動揺する意味を勿論理解した。自分に、いや、《神威》に圧倒されたあの時の事を考えているのだろうと思ったのだ。
「じゃ、じゃあ!!」
それだけ言うと、さっさとサテラは消えてしまった。
「……(不利だと悟ったか? どちらにせよ、人間じゃない。……魔人だからか、出方が読みにくい)」
ユーリはそう分析。サテラが消えた方を見つめていた。
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