暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者-
アインクラッド編
龍皇の遺産
クエストに出掛けよう 02
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追求した武器で、神殺しの名に相応しい禍々しい外見をしている。
 黒と紫なんて言う、不吉極まりない配色。 巨大な円盤のような刃は肉厚で、斬ると言うよりは叩き切ると言った方が正解だろう。 当然、要求筋力値は相当高く、こんな冗談みたいな武器を扱えるのはアマリぐらいなものだ。 これも当然だけど、僕では持ち上げることすらできない。
 ちなみに、アマリはディオ・モルティーギを《でぃーちゃん》と言う極めて微妙な愛称で呼び、とてつもなく可愛がっている。 喋りかけたりは日常茶飯事で、たまに抱き枕にして寝ることまであるから恐ろしい。 一緒のベッドで寝ている僕からすれば、本当にやめてもらいたい。

 閑話休題。

 さて、僕たちが今いるのは70層にあるダンジョンだ。
 迷宮区とは主街区を挟んで反対側にあるため、僕たちは初めてここに入る。 マップデータが全くないと最奥に行くまで時間がかかるので、鼠の情報屋さんからクエストの情報を買う際にそれも一緒に買っておいた。 だから、目的地はすぐに分かるんだけど、このダンジョン、出てくるモンスターの強さがかなり高く設定されているので探索が容易ではない。
 最前線のフィールドボスクラスのモンスターが普通に出現するなんて、あまりにも悪ふざけが過ぎる。

 そもそも、僕たちの武器が最前線で使えなくなってきたからここにいるのに、最前線クラスのモンスターを相手にしていると言う矛盾。 幸い、ドラゴンタイプのような大型モンスターはアマリのディオ・モルティーギと相性がいいので(武器の特殊効果に、大型モンスターに与えるダメージ+18%、と言うものがある。 反則と言うならこれこそがそうだろう)苦戦らしい苦戦はしていないけど、勘弁してほしいと言うのが正直な感想だった。

 とは言え、僕にはクエスト報酬のレア素材以外にこのクエストを受けたい理由があるので、ここで引き返すわけにはいかないのだ。

 「さてと。 あれが目的の小部屋だけど、アマリ、準備はいい?」
 「オッケーです」
 「うん。 じゃあ行こっか」

 アマリの返事ももらえたので、特に警戒するでもなくクエストNPCがいるらしい小部屋に入る僕とアマリ。
 結婚しているプレイヤーが2人で小部屋に入ったことでクエストのフラグ立てに成功したのか、部屋の中央に突然としか言えないくらいの唐突さで人が現れた。 頭上に金色のエクスクラメーションマーク(いわゆるびっくりマーク『!』だ)があるので、間違いなくあれがクエストNPCだ。

 「このようなところに人間とは珍しい。 何用で参った?」

 大柄な体躯に似合う低く響く声での問いかけに、僕はすぐさま返答ができなかった。
 何しろ、そのクエストNPC、人ではないのだ。

 知り合いにかなり背の高い斧戦士がいるけど、彼は間違いなく
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