SAO:アインクラッド〜共鳴しあう絆の中で〜
ボス戦、第三ステージ
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アアアアッッ!!」
咆哮を轟かせながら、二人が狩人に己の獲物を叩きつけた時。
狩人のHPバーが、最後の一本に差し掛かった。
「ッ!皆離れ??????」
ドスン。
まるで、アニメや漫画のようだった。
狩人の体から一気に蒸気のようなものが吹き出し、一瞬だけ狩人の姿が見えなくなった。
そう、一瞬だけ。
次の瞬間には、もう狩人はその蒸気の塊の外へ、自分から出ていたから。
そして、フォルテが冷静に物事を判断できたのも、ここまでだった。
フォルテの視界には、もう一つ、あるものが写っていた。
左から、右へと。
物凄い速さで通り抜けていく、あるものが。
いや。
ある人が、見えていた。
「リークさ……ん……?」
蒸気の中から出てきた狩人は、一番近くのプレイヤーを。つまりはリークを攻撃した。
動き自体は先ほどと何も変わらない。
変わったのは、スピードだった。
蒸気の中から出た狩人は、物凄いスピードで移動し、そこでまた蒸気を生み出す。
部屋の中には合計9つの蒸気の塊ができていた。
だが、そんなことはどうだっていい。
あれほどの力で、リークさんを、攻撃した。
頭のどこかではわかっていた。リークが死んだのかどうかは、わからない。
彼女ほどの実力者がガードもできずに吹っ飛ばされるとは思えないし、まずまだ確認さえしていない。
ただ、リークが飛んでいった方向を見ることは、できなかった。
そして彼の中で、何かが切れた。
「なんで……」
呟いたことを、本人は気づいていなかった。
「あの人なんだ……」
能天気に笑っているように見えて、誰よりも辛い思いをして、誰よりも耐えてきて、誰よりも強く、前を向き続けようとする人。
「誰か、なんだ……」
あの人だけじゃない。きっと、前を向いてきた人もいた。諦めたくないと、耐えてきた人もいたはずだ。
「なんで……!」
なんで……なんで。なんで!なんで!
「なんで、僕じゃないんだ!!」
辛くて、逃げて、諦めて。
水が下へ下へ流れるように、ずっとずっと落ちてきた。
そんな僕を。
「なんで、僕を殺さないッ!?」
理由が、欲しかった。
第一層、誰かのために死ねるかもしれないと歓喜に震えた。
第二十五層、ものすごく強いボスがいたと聞いた。
第五十層、人知れず死ぬことを少しだけ望んでいた。
だけど、死ねなかった。
五十層のボス戦、勇敢に立ち向かった
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