第四十六話
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蛭町はついには地面に倒れ込み、小刻みに震えているだけのなんだか訳の分からない血に汚れたどす黒い固まりにしか見えない。
ペキリ。
何かが裂けるような音がした。
俺は蛭町を見る。
どす黒く変色して体を包み込んでいた皮膚にいくつもの裂け目が走り、そのおくには真っ黒の皮膚のようなものが見えていたんだ。
あれはは虫類とかのモノじゃない。おまけに節に別れているように見えるし。
さらに裂ける音がして彼の胴体を突き破るようにして、毒々しいほどの黄色の枝のようなモノが何十本も左右対称に飛び出してきた。
太さは子供の腕ぐらいの太さ。でも長さ1メートル近くはありそうだ。
ピンと張られたその枝が真ん中あたりでクキリと音を立てて直角に折れ曲がった。
どうやらそれは脚のようなものだったらしい。先が地面に触れると急に力が入ったようになり、折れ曲がった部分には節が形成されてまるで関節部のように変形し、何十本もの枝が一気に蛭町の体を地面から浮き上がらせた。
「シュー」
声なのか呼気なんか分からないが蛭町の頭部から音がした。ぐいと首を持ち上げると頭部を覆っていた皮膚がはがれ落ち、体全体の皮膚もパラパラとはがれ落ちていく。はがれた部分から真っ黒は節がいくつも繋がったものだということが分かる。
……奴の本来の姿がついに現れた。
「なんだこいつは!! 」
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