第二十話
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る。バシュッという軽い音と共に、閉じ込めていた部分の肉体全てが瞬時に魔力に強制分解され、吸収された。
『■■■■■■■■■■ーーーーーーーーーーーーーーー!!!?』
体の中から喰われるという、経験したことのない痛みと恐怖に暴走体が咆哮する。それはまるで泣き叫んでいるかのようだった。
「・・・・・・・・・葵・・・君・・・?」
信じられないモノを見た。なのはは驚きを隠せない。いや、彼女だけではない。実際に葵の心臓が停止したのを確認したユーノや、葵の手足がもぎ取られた瞬間を目撃していたフェイトやアルフも、目の前の光景を見て絶句していた。
『・・・・・・・・・。』
葵が立っている。
もぎ取られたはずの手足が再生していた。洋服までは治っていないが、体に傷は全く残っていない。何より驚きなのは、この空間全ての魔力が、彼に吸収されていることだ。暴走体との戦闘で大気中に撒き散らされた魔力までもが強制徴収され、葵を中心に渦を巻いている。
それは、ジュエルシードが葵の記憶から、後に高町なのはの代名詞となる必殺技《スターライト・ブレイカー》に使われる魔力収束技能を再現したもの。それに更に『闇の書』のリンカーコアからの収集というオマケまでつけたものである。
葵の『パッチユーザー』としての能力は、一条雫と同じ『エネルギー操作』である。
魔力も、広義ではエネルギーに分類出来る。だから、それを操ることが出来る。原作では、一条雫は自分で生み出したエネルギーと、敵の攻撃エネルギーの反転しかしていなかったが、その二つしか操れないと決まっている訳ではないのである。操ろうと思えば、葵はこの世全てのエネルギーを操ることが可能なのだ。
葵は気がついていなかったが、実はヴォルケイノ戦でも、戦闘の途中で大気中に溢れていた魔力を少しずつ吸収しており、そのエネルギーを使って進化したのである。確かに、使用した魔力も膨大なものだったが、敵のジュエルシードが放出する魔力量は圧倒的だった。それを吸収することで、使用した分より遥かに多くのエネルギーを回復することに成功していたのである。
人が持っている魔力は、基本的にその本人しか使用することが出来ない。・・・が、そもそも進化した葵は生物としての格が違う。ただの人間風情が、いくら魔力を奪われないように鍵を掛けようと、ブルドーザーで扉ごと壊されてしまってはどうしようもない。
「葵君・・・よかった・・・!」
朦朧とした意識の中、なのはは葵が生きていたことを心から喜んだ。そして安心もした。自分たちが勝てない敵でも、葵なら勝ってくれる。そう信じていたからである。
安心したなのはは、疲労と、魔力の枯渇により気絶した。
だか
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