第二十話
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という地獄になのはたちを堕としてしまったことに、ユーノの心は深く傷ついていた。しかし、これ以上なのはを不安にさせるわけにもいかないと、暴走体が自分たちを『常備食』にするつもりなのだということは話していない。
フェイトとアルフは連続の戦いに精根尽き果て、辛うじて意識を保っているだけになっていた。二人の心は、こんな恐ろしい化物を生み出してしまったことへの後悔ばかりであり、それによって死んだ男の子への謝罪であった。
★★★
数時間もした頃だろうか。異変は突然発生した。
「カッ・・・ハッ・・・!?」
縛り上げられたなのは。その胸元から、ピンク色の小さな球体が突如出現した。大きさはピンポン玉より少し小さいくらいだろうか。同じくピンク色をした粒子が、何かに吸い上げられるようにしてどこかへと飛んでいく。
「え・・・何・・・これ・・・・・・。」
体に走る痛みも忘れ、呆然と呟く。体から力が抜けているのだ。目が霞んでいる。すでに、体の自由が利かなくなっていた。今まで暴走体に吸い上げられていたときとは比べ物にならない。なのはの生命など考慮しない速度での吸収である。
なのはだけではない。ほかの三人も同じであった。
「これは・・・リンカーコア・・・!?」
「嘘・・・。なんで・・・!?」
「フェイト・・・。ヤバイよこれ・・・!魔力がどんどん吸われてる・・・!!」
ユーノ、フェイト、アルフ。暴走体と戦ったものの全く歯が立たず、ボロボロにされて縛り上げられた全員から、リンカーコアが摘出されている。その全員が、強制的に魔力を吸い上げられる感覚に体を震わせていた。
「僕たちを食べる為に魔力を取り出してるのか・・・!?」
ユーノは、戦っていた暴走体が、彼女たちを殺すために魔力を奪っているのかと推測した。今までは『常備食』として殺さないように配慮していたが、心変わりでもしたのかと思ったのである。
しかし、その考えは正解では無かった。
『GUAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!?』
何故なら、魔力を強制的に吸い出されているのは、暴走体も同様だったからだ。
「何が・・・起きてるの・・・?」
暴走体は、魔力が物質化した存在である。それゆえに、魔力を吸い出されれば体は脆くなる。とは言っても、七個ものジュエルシードを持っている暴走体にしてみれば、吸い出される量は微々たるものだが、それでも驚異なのは変わりなかった。
『■■■■■■■■ーーーーー!!!』
暴走体が咆哮する。当然だ。何故なら、暴走体は自分の体の中から魔力を喰われているのだから。葵を閉じ込めた場所から蒼い光が溢れ
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