第二十話
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に葵の願いを叶えられる筈であった。半年に一回進化するとして、葵は、何もしなくても高校入学くらいまでには『不老不死』を手に入れることが可能な筈であった。
だが、ここでジュエルシードにとって想定外の自体へと陥った。『パッチ』を見本にし、能力や外見を酷似させてしまったが故に、『命をかけた戦闘をしなければ進化出来ない』と葵が勘違いしてしまったのである。
その為、彼は命懸けの戦いへと身を投じるこことなってしまう。彼が戦うということは、ジュエルシードがコツコツと貯めている貯金を消費するということだ。しかも、攻撃に使用するだけなら兎も角、ヴォルケイノとの戦いでは重症を負って、それを修復までしている。
おや?と思った方もいるだろう。
進化する為に貯金していたエネルギーをバカスカ消費して、なんでヴォルケイノとの戦いで進化の階段を昇ることが出来たのだ?と。
―――だが、矛盾はしない。
あったではないか。エネルギーなら充満していたではないか。戦いの最中、辺りを見渡せばそのエネルギーを見つけることが出来る。
『足りない。』
『足りない。』
『足りない。』
『足りない。』
『・・・・・・・・・・・・寄越せ。』
★★★
なのはたちは縛り上げられていた。
まるで十字架に貼り付けにされた聖人のような格好である。そして、四人それぞれの体には、まるで点滴のように細い触手が幾本か刺さっている。
勿論、これは点滴などではない。むしろその逆。なのはたちは、魔力と共に生命エネルギーとも呼べる物を、ゆっくりじっくりと吸い出されていた。
「・・・・・・・・・葵君・・・。」
貼り付けにされている中の一人、なのはは、暗い瞳で虚空を見つめながら呟く。死んでしまった親友の名を。貼り付けにされているのは四人。なのは、フェイト、そして人型となったアルフとユーノであり、そこに葵の姿はなかった。
彼の遺体は、暴走体の中にあるのである。
死んでいるとはいえ、進化した葵の肉体は暴走体にとってこの上ないご馳走に見えたらしい。ただの人間とは存在の格が違うのだから当然だが。よって、暴走体は葵の体を余すところなく消化することにしたようで、直接肉体の中に取り込んだのである。
しかし、なのはたちはまだ生きている。生きているということは、生命活動をしている間は魔力が生成され続けるということだ。このため、暴走体はなのはたちを今すぐ殺そうとはせず、『常備食』として生かしておくことにしたようである。
そのことを薄々察したユーノが、静かに泣き続けていた。
(僕のせいで、なのはや葵君が・・・!!!)
生きたまま喰われる
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