暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第64話 奪われたら取り返す
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ッドが備え付けられていた。同じ種類の羽毛布団があり、それが不自然に膨らんでいる。不自然に……と言うより、人一人が潜り込んでいるであろう大きさに膨らんでいる。
 誰かいるのか??っと焦った志津香だったが、確かに見た。

 その布団の頭から、一本だけ……くせっ毛の様に髪の毛が伸びているのを。その色は、紫色。その色をした髪を持っているのは1人だけしか知らない。

「……かなみ?」
「っっ!!!!」

 志津香は、名前を呼んだ。
 すると、激しく反応した様で、布団所かベッドそのものが揺れた。

「はぁ…」

 志津香は、ゆっくりと伸ばした手を収めた。そして、かなみであろう人物の方へと向きなおす。

「それで、一体いつから気がついていたのかしら?」

 その声色は、いつも通りなのだが……なぜか恐ろしい。かなみは、びくっ!!っと身体を震わせた。だけど……、かなみも、やっぱり負けたくないと言う想いもある。押しの強さや、気の強さではどうしても、志津香には敵わないと思うけど、事、ユーリの話なら、負けたくないと。

「つい、ほんのついさっきに……」
「そう」

 負けたくない……といったがやっぱり、迫力満点だ。昨日、人外である魔人と相対したのに、それを忘れてしまうかのようだ。

「……お互い、無事で良かったわね。かなみ。生きてて良かった」
「っ……。う、うん」

 志津香の次の一声は、慈愛が含まれていた。それは本心からの言葉。
 かなみは、志津香にとって良き友達であり、カスタムを守る為に尽力を尽くしてくれた恩のある人。……もう、マリア達の様に 親友だって言っていい。勿論、かなみにとってもそれは同じだと言えるだろう。

 そして、同じ人を好きになった者同士の奇妙な絆だってあるのだから。

 かなみは、ゆっくりと顔を布団から出した。
 丁度鼻から上部分まで、顔をひょこっと出した所で。

「志津香、わ、私も負けたくないから……っ」

 かなみは、そうはっきりと伝えた。
 志津香は、少し既視感(デジャビュ)を感じた。確か、教会でも同じ事を言われたのだから。本当に厄介な男を好きになってしまったものだな、と志津香は何処か、軽く笑うと。

「……何の事でも、負けるのは私も嫌いよ」

 意図しながら、2人で宣戦布告をし合う。それでも、何故だろう?2人ともそんなに不快じゃない様だった。

 そして、この後……それが 2人にとっての大問題。


「あーー、ったく……お約束といやぁお約束だが、もうちょっと濡れ場があっても良いだろうに」
「志津香も志津香よね。もっと早く、ユーリの寝込みを襲っちゃえば良いのに。婚前交渉も もう一般的なのよね〜! そう、ALICE様もお許しいただけるわ。きっと」
「……ロゼ
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