第3章 リーザス陥落
第64話 奪われたら取り返す
[7/21]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ッドが備え付けられていた。同じ種類の羽毛布団があり、それが不自然に膨らんでいる。不自然に……と言うより、人一人が潜り込んでいるであろう大きさに膨らんでいる。
誰かいるのか??っと焦った志津香だったが、確かに見た。
その布団の頭から、一本だけ……くせっ毛の様に髪の毛が伸びているのを。その色は、紫色。その色をした髪を持っているのは1人だけしか知らない。
「……かなみ?」
「っっ!!!!」
志津香は、名前を呼んだ。
すると、激しく反応した様で、布団所かベッドそのものが揺れた。
「はぁ…」
志津香は、ゆっくりと伸ばした手を収めた。そして、かなみであろう人物の方へと向きなおす。
「それで、一体いつから気がついていたのかしら?」
その声色は、いつも通りなのだが……なぜか恐ろしい。かなみは、びくっ!!っと身体を震わせた。だけど……、かなみも、やっぱり負けたくないと言う想いもある。押しの強さや、気の強さではどうしても、志津香には敵わないと思うけど、事、ユーリの話なら、負けたくないと。
「つい、ほんのついさっきに……」
「そう」
負けたくない……といったがやっぱり、迫力満点だ。昨日、人外である魔人と相対したのに、それを忘れてしまうかのようだ。
「……お互い、無事で良かったわね。かなみ。生きてて良かった」
「っ……。う、うん」
志津香の次の一声は、慈愛が含まれていた。それは本心からの言葉。
かなみは、志津香にとって良き友達であり、カスタムを守る為に尽力を尽くしてくれた恩のある人。……もう、マリア達の様に 親友だって言っていい。勿論、かなみにとってもそれは同じだと言えるだろう。
そして、同じ人を好きになった者同士の奇妙な絆だってあるのだから。
かなみは、ゆっくりと顔を布団から出した。
丁度鼻から上部分まで、顔をひょこっと出した所で。
「志津香、わ、私も負けたくないから……っ」
かなみは、そうはっきりと伝えた。
志津香は、少し既視感を感じた。確か、教会でも同じ事を言われたのだから。本当に厄介な男を好きになってしまったものだな、と志津香は何処か、軽く笑うと。
「……何の事でも、負けるのは私も嫌いよ」
意図しながら、2人で宣戦布告をし合う。それでも、何故だろう?2人ともそんなに不快じゃない様だった。
そして、この後……それが 2人にとっての大問題。
「あーー、ったく……お約束といやぁお約束だが、もうちょっと濡れ場があっても良いだろうに」
「志津香も志津香よね。もっと早く、ユーリの寝込みを襲っちゃえば良いのに。婚前交渉も もう一般的なのよね〜! そう、ALICE様もお許しいただけるわ。きっと」
「……ロゼ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ