第3章 リーザス陥落
第64話 奪われたら取り返す
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に出入り口へと向かう。
「ありがとう。でも、ロゼには言わなくていいわ……」
世話になったのは確かなんだけど、何だか悪寒を感じるのだ。あのロゼをここに呼んではいけない……、そんな不穏な気配を。
「えー? どうして??」
「どうしても。……いろいろとあるのよ。あの人にも 私が直接お礼に言いに行くから」
志津香は言葉を濁しながらそういう。
以前にもヒトミがランスに接触する事を止めさせた志津香。……ロゼ、ミリ辺りは同類項だから、基本的に教育上よろしくない。特にいろいろと興味津々なヒトミは勿論だ。
ミルや優希はもうOUTな気がするから。
「??」
ヒトミは首を傾げたが、すぐに頷く。後でお礼を言うと、志津香は言ったからだ。信用はできるから。
「うんっ……っとと、そうだったそうだった」
ヒトミは、外へと出た後、頭だけをにゅっと医務室に入れ、少しわざとらしく再び志津香の方に向けた。
「えへへ……、お姉ちゃんたちを看病してたの、わたしだけじゃないんだよー? わたしより、ずっとずっと前からみんなの事 看て回ってる人もいたんだ!」
笑いながら指をさしたヒトミ。
志津香は、いったい誰の事か?と思って ゆっくりと周囲を見た。身体はさっきより起こせるから、見える範囲が大分広がり……、寝たままの状態では位置的、高さ的に見えない死角の位置に、誰かが確かにいた。
「っ……!!」
志津香は、その人物を確認。
……誰かを確認した後、再び二度見して驚いた。備え付けられた椅子に深く腰をかけ、腕と足を組み 楽な体勢で眠っている男がいた。傍で、見ていてくれた男がいた。
「えへへ〜……私が回ってきた時、もう力尽きちゃったみたいで、バトンタッチしたんだっ! ……おにいちゃんも大変だった筈なのに、すっごく無理したみたいだったから」
そう、志津香の傍で眠っていたのはユーリだった。
いつもの彼であれば、騒がしいとまでは行かずとも、この位の話し声がしていたら、目を覚ます。だけど、それでも目を瞑り 意識を手放し続けていた。それも仕方がない事であり、眠ったのはついさっきだったからである。ここリーザス解放軍は壊滅、までは行かずとも、サテラ達の襲撃でダメージを蒙ったのは事実だ。あのガーディアンのイシスやシーザーと戦った後も、怪我人を運んだり、薬剤運びや場所の確保、そして 新たな襲撃者の有無を確認していた。
……が、やはりユーリとはいえ人間だ。
限界というものは勿論持ち合わせており、リックと交代をして、少しだけ仮眠を取ると言うことで、ここにきていたのだ。……彼女達の看病と言う事もあるから。
「お兄ちゃんが目を覚ましたらよろしくね? お姉ちゃんっ!」
「っ!!」
ヒトミは
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