暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第64話 奪われたら取り返す
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。あの闘技場で戦った時よりも、遥かに力、レベルの全てが向上していると言う事もあるから。共に並んで戦ったからこそ、良く判るものだった。

「おいコラ! オレ様が居ない所で勝手に決めるな!」

 ランスが大股で割り込んできた。自分をのけものに、話が進んでる事が気に入らない様だ。……ランスだし。

「はぁ、ならランスも判断してくれ。魔人達と戦うんだ。それを考えて構成しろよ?」
「ふん! そのくらい言われんでも判るわ! 馬鹿者!」

 と、息巻いて……結局。

「そこの金髪と仮面男、使ってやるからついてこい!! 後はかなみ。そして後衛に志津香だ」

 ランスは彼らも選んでいたのだ。
 それを見て、女性陣はため息を吐いたり、呆れていたり……。その実力の高さを見抜いていたのか、或いは楽をしたいからなのか?一先ずそれは置いといて、ユーリは考える。その編成メンバーについてを。

「……回復役が欲しい所だが……、ここから行く場所の危険度を考えたら、厳しい、か」

 回復役、即ち神魔法を使える人材。
 この場では、ロゼとセルだ。戦えた上の人選を考えたら、2人ともまずダメだろう。ロゼには、悪魔ダ・ゲイルがいるが……。

「はっきり言って、ダ・ゲイルじゃ魔人には太刀打ちは出来ないわ。あの子がどの程度の階級の魔人なのかは知らないけど、ダ・ゲイルの第八じゃ、例え下級魔人でも無理ね。私のセックスフレンドを失う訳にはいかないから、人選しないでよね〜」

 ロゼは、手をひらひらとさせながら、ある代物を取り出すと投げた。

「……これは」

 ユーリは受け取ったそれを見ながら驚きの表情を浮かべた。

「《月の加護》 全治全納の神に比べたら効果範囲は格段に劣るけど、1パーティくらいだったら、大丈夫でしょ。……ただし、効力は一回きっかり。それはしっかりと頭に入れといてねん」

 そう言って、手を振って離れていく。

「つくづく思うが……、ロゼ、お前はほんとに何者なんだ……?」
「ふふん! わたしゃ完全無欠の清楚なシスターよん♪ つまり、日頃の行いが良いから持ち合わせている、ってねん」

 全くを持って納得出来ないが……、今はありがたい。ありがたすぎると言うものだ。

「……とりあえず、ロゼだから、って事だな」
「あーら、つれないわね」

 ロゼはのってこないユーリにやや不満だった様だ。が、渡す物を渡した後はそのまま奥へと戻っていった。何だかんだ言いながら、ロゼも支援の方はしっかりしてくれている。
 負傷した兵士もまだ多数いるから、それなりの治療をしてくれているのだ。

 ……後の要求が怖いが、今は考えないでおいた方が良いようだ。

「ユーリさん。恐れながら、私も同行させて貰えませんか?」

 その時だ。
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