第3章 リーザス陥落
第64話 奪われたら取り返す
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求なんか無視でいい! 無視で!!」
ランスは、ばーーん!と効果音が出そうな勢いで指さした。……そっちの方角には、ハイパービルは無いんだけど。と突っ込みたいが。
「バカ、ハイパービルはあっちよ」
突っ込まない、と思ったけどきっちり突っ込んだのは志津香だった。この辺の地理については頭に叩き込んでいたから はっきりと判っているのだ。
「えぇい! そんな事はどうでもいい! さっさとシィルの馬鹿を連れ戻しに行くぞ」
「こっちのメンバーがあっさりと突破された相手なのよ? そんな無策で突っ込んだら今度こそ殺られるだけだわ」
「馬鹿を言うな。このオレさまにかかれば、ちょちょいのちょいだ! 初戦は不意をつかれただけなのだ。役立たずの下僕も、今回は一応いるからな。がははは! こき使ってやるわ!」
ランスはユーリを見ながらそう言う。
今回の件は、ユーリはため息を吐くだけに留まる。年齢を言われてないから……だろうか?
「馬鹿言わないでっ!! ユーリさん達は、あのデカい化物を2体とも抑えてくれてたのよ! 魔人がいる上にあんなのが揃ったら、ランスなんか生ゴミになって捨てられちゃうんだから!」
「コラぁ!! 誰が生ゴミだ、生ゴミ!!」
「……燃やすと有害そうだし、妥当ね」
「コラぁ!! 聞こえてるぞ!!」
……本当に真剣なのか判らない。具合にいつも通りだ。
「……シィルちゃんは仲間だ。ちゃんと取り返してくる。だから リーザス軍の皆はジオの方を頼めるか? ……相手は強大だ。だが、大勢で行くよりは少数精鋭で向かった方が利がある。……あの娘は魔人だが、色々と隙はありそうだからな」
ユーリはそう言っていた。
あの司令本部の布陣。
深夜であり、兵数も少ない状態だったが……、それでも各軍の将軍がいたのにも関わらず簡単に突破されたのだ。大人数は、得策ではない。下手をすれば、今回こそ死体の山が出来上がる可能性だってあるから。
だから、正面衝突ではなく 色々とやりようがある、と考えていた。
「うん。確かにジオへの攻撃は敵が揃ってない今がチャンスだし、私もその方が良いと思う」
マリアも頷いた。
リーザス軍の将軍達も、あの強さを目の当たりにして、それでも少数と言う言葉を聴いて、やはり不安が尽きない。ユーリ達は、リーザスの大恩がある人達だからだ。
「で、でもユーリ。相手は魔人なんだよ? ……いくら大勢だったら、目立つって言っても……無謀だと僕は思う」
「同じ意見です。……アレの力は異常でした」
「……恐れながら、私も」
メナドが心配そうにそう言っていた。
エクスとメルフェイスも同様だった。一戦交えたからこそ、の感性だった。相手の強さを知るのも強さの内である。……人間の中では、間違
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