月下に咲く薔薇 15.
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
された。
後ろに目があったとしても、あれだけの好反応を容易くできるものではない。単機が紡ぎ出す結果である事が、尚の事癪に障る。
追跡を開始するオズマ機やデュナメス、ヴァーチェ、ブラスタが仲間達に警告を発する中、前方で降下を続けるアリエティスが、それまで以上の赤色光を放ち始めた。
『行きなさい。マリス・クラッド!』
アイムにしては高揚感を欠いた声が、一帯の敵を薙払えと命じた。
何者をも技量の差、火力の差、そして視野の差の下に見るアイムは、本来弄ぶように敵を蹂躙する。そのアイムがクロウの仲間へ水晶柱を見舞うのに、まるで気力を感じさせない様子を伺わせるとは。
赤い水晶柱は高速で海中に幾本も没し、対峙しているZEXIS機と次元獣の双方に襲いかかった。
空中のミシェルは既に反応していたが、海中の全ZEXIS機、MS2機にゴッドマーズとゲッター3、バルディオス、ゴッドシグマ、マジンガーZはその直撃を受けてしまった。
各機損害を報告する中、幸いにも軽度な内容ばかりが続く。
『こちらマリン。俺達は全員無事だ。しかし、バルディオスの右腕が動かない』
『デスサイズ、デュオだ。こっちも左腕を持って行かれちまった』
スメラギは、マリンやデュオのみならず海中で戦っていた全機とKMFの5機に後退を指示する。
それでも何ら問題はない。最早、次元獣に更なる攻撃は必要なくなっていた。
4頭のブルダモンは完全に戦闘意欲を失い、首が落ちたり背中に大穴が開いた状態で硬直している。
ZEXIS機の攻撃を受け続けていた連中にとって、マリス・クラッドは致命傷となったのだ。
『どういうつもりなんだ? 奴は』
ゴッドマーズからの転送映像で、クロウ達は敵の最期を見届ける。
仰け反りながらも声は出さず、断末魔の爆発はその体を完全に崩壊させてゆく。最後には、それぞれが光の粒を残し水流の中で消滅した。
狐に摘まれた、とはこういう時に使うべき言葉なのか。次元獣をバトルキャンプに送り込んだ張本人が、その刺客を全て狩ってしまった。
敵の残光を前に、闘志也が脱力して漏らす。
『何だってんだ、一体…』
『それだけじゃない。アリエティスの攻撃だと通用したぞ』
甲児が抱いた疑問は、4頭のブルダモンと戦っていたパイロット全員の疑問でもある。
当然スメラギが、やりとりの中から拾い上げるべき重さを感じ取った。
『どういう事なの?』
『どうもこうも、言葉通りの意味だ』隼人が、戦闘中に起きた変化を要領良く説明する。『マリス・クラッドが降ってくる直前、こちらの攻撃が全く効かなくなった。Dフォルトが突破できない。というより、ミサイルが奴の体を素通りするんだ』
『さっきのライノダモンと同じ、だと…?』
愕然とするクラン同様に、ティエリアとロックオンの攻撃を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ