第3章 リーザス陥落
第63話 襲撃の魔人サテラU
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からこそのもの、だと思えたが、今はそうでもない。そして、人間だから、と言う理由で、遊んでいるようにも見えない。
「ユーリ!」
がきぃぃぃんっ!!!
背後より迫ってきたシーザーの攻撃を察知した清十郎が、素早く割り込み、二刀を交差させ、受け止めた。
「散漫だ! そんな余裕があると言うのか!?」
「いや、違う。こいつらは、何かを狙ってる。こいつらの実力はこんなもんじゃ……っ!!」
ユーリはこの時に気づいた。否、気づくのが遅すぎると後悔した。
このガーディアン達の主は、あの魔人だ。
ガーディアンは従者。なのに、その主と離れて行動している意味は一体なんだというのだろうか?
あの時は3人が一緒に居たはずなのに、今はあのサテラがいないのだ。
「まさか、皆の所……っ!?!?」
そう口走った瞬間、イシスが距離を一気に詰めてきた。間違いなくこれまでには見せた事のない速度で。
「ユーリ殿ッ!!」
「大丈夫だ」
凶悪な速度のままに繰り出される拳。
その破壊力は、間違いなくさっきまでのそれとは一線を超えているだろう。だが、ユーリも負けてはいない。抜刀の鞘走りを更に加速させ、渾身の居合で迎え撃ったのだ。
「煉獄・居合!」
「………!?」
イシスは、喋れない。
喋る機能が備え付けられてないからだ。だが、想う事はできる。今の攻防、間違いなく、初速は自分が上だった。相手はテンポが遅れた筈なのに、追いついてきたのだ。つまり攻撃の速度の領域では 自身よりも遥かに上だと言う事。
今のこの男は、あの時の男じゃない。と言う事は何処かで判っていた。
あの状態じゃない者。確かに人間にしては、強い。と思っていたが、ここまでとは思いもしなかったようだ。
「サテラサマノ、ジャマハ、サセナイ!」
「………」
ガーディアン2人は、『決して逃がさない』と言わんばかりに構えた。
その気迫と殺気が等しく混じりあった気配は、この場で背を向ければ即座に殺られると言う事を理解するのに十分過ぎた。
「こいつら以外にもまだいると言うのか」
清十郎は、その言葉を聞いて、軽く汗を拭った。ユーリはその言葉に頷く。
「ああ、……こいつらの主だ。魔人サテラ」
「魔人。……こいつらよりも遥か上、か」
清十郎は、この時ばかりは少し、驚きの表情を見せていた。
確かに、清十郎は魔人にはこの世界に来てまだ会った事も手合わせをした事もない。真の意味での人外との戦いはこのガーディアンが初だ。その力は今まさに感じている。底知れぬパワー、そして巨体から考えられない程のスピードも。
かの世界では、銃弾すら剣で防ぎ、コンクリートを素手で砕き、鉄をもへし折った体術、
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