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逆襲のアムロ
3話 死の商人 9.20 11:40 ルナツー
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し諸君らの詳報が芳しくなければそのままジャブロー行きであったが、本部はこのままブライト君らクルーにて作戦を継続すると判断した。以上だ」



* ホワイトベース艦橋 UC79 9・20・19:00


ホワイトベースは陽動艦隊の出港の後、単艦にて出港した。
ブライトはテムとリュウ、アムロを交えて作戦開始まで談話をしていた。


「レイ少佐。この度の作戦を我々新兵・志願兵だけでこなすのには正直困難ではありませんか?」

「ブライト君。決定事項なのだ。艦隊にて我々の道を作ってくれる」

ブライトは困惑したが、アムロが代わりに答えた。

「中尉。データ通信にてジャブローへ情報は渡っている。なら、アナハイムにも渡っているってことさ。だからウォンさんがいるんだ。ウォンさんのコネクションで航路はより易くなっているさ。」

「そうか。しかし、単艦で行くにはいささかやはり不安だな。後背には用心せねば」

「安心したまえ」

ウォンがドアを開けて艦橋へ入ってきた。

「中立コロニー宙域を経由し向かう予定だ。その宙域では何人たりとも戦闘行為はできない。だからその宙域までの我慢だ」

「中立地帯を航行!我々軍艦が通行できるわけないじゃないですか!」

ブライトはウォンに疑問を呈した。

「ブライト君、私は民間人で且つ政府特権を行使し、中立地帯への航行を中立の政府関係者へ交渉を済ませてある。アナハイムの重役がアナハイム産の連邦の試験艦のテスト航行を兼ねてフォンブラウンへ安全な航路で通過したいとな」

ブライトは絶句した。すべてが嘘だった。しかし、その嘘は今回抜群の威力を発揮した。

「・・・ふう。もはや何も言いません。我々軍人とは理解し難い世界の住人のようだ」

「そうだ。だから差し詰め今が危機だと思ってくれ。敵が狙うなら中立地帯までが勝負だからな」

ウォンがルナツーを出港したばかりでまだ連邦の勢力圏内でいることに安心して冗談を言って笑っていたが、その直後強襲警報がなり、笑いが急に引っ込んだ。ブライトはそれを見て苦笑した。

「ウォンさんの洞察力には恐れ入ります。敵が来たみたいです」

ウォンは慌てた。実戦経験の無さから。

「何故だ!あれだけの哨戒網を潜り抜け、この艦を察知できたのだ」

すると、アムロが淡々と言った。

「シャアならできるさ。赤い彗星のな」

ウォンの顔は青くなった。ルウム戦役の英雄でエースのシャアが単艦のホワイトベースへ強襲する。
生きた心地がしなかった。アムロはウォンの狼狽ぶりに軽く肩をたたいた。

「大丈夫ですよ。この艦にはガンダムがありますから」

そう言ってアムロは艦橋を離れ、ガンダムへ搭乗した。
オペレーターが出撃の合図をした。


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