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禁じられた舞台
5部分:第五章
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にはすぐに抗議で返した。
「そう簡単にいくか。それより何なんだ?」
「お兄ちゃんがスタッフだった舞台あるじゃない」
「昨日までのあれか?」
「そう、それよ」
 妹の声がここで少し早くて強いものになった。
「それなんだけれど」
「あの舞台がどうしたんだ?成功だったろ?」
「それは新聞にはないわよ」
「何だ」
 そうした話ではないと聞いてまずはがっかりとした。
「っていうかそういうことは記事にならないでしょ、新聞なら」
「まあそうだけれどな」
 わかってはいた。わかっていても言ったのだ。しかし話はここで暗転してしまったのだった。
「けれどその舞台の話よ」
「それで何だよ」
「ほら、プロデューサーさん」
 言うまでもなく高山のことである。
「お兄ちゃんがいつも横暴だ無茶苦茶だって言ってるあの人いるじゃない」
「予算とか時間は今回珍しくまともだったけれどな」
「その人よ。大変なことになったわよ」
「大変なこと?」
「事故に遭ったのよ」
 目を顰めさせて彼に言ってきた。
「事故に。それが新聞に載ってるのよ」
「事故!?」
 若田部は妹の言葉を最後まで聞いてその二日酔いで野暮ったく、むくれさえしてしまっている目を顰めさせた。そのせいで頭が余計に重くなるのも感じた。

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