暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第61話 魔人再来
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な!」

 ゲラゲラ笑いながらそう言っている。
 ……独特な鼻を持っている様で精度は ばっちりの様だ。そのとおり、ランスはここにはいないのだから。ランスに斬られ、ユーリに殴り飛ばされてしまって、暫くは 店先に出られなかった様だが、何とか回復出来た様だ。ゴキブリの様な生命力の持ち主だ。

「……それにしても、ユーリの野郎。次会ったら倍返しにしてやろうか……。……た、多分無理か」

 殴られた時の形相、そして ランスに刺された時の恐怖がまだ残っている様だ。口では何とでも言えるのだが……、身体の髄にまで残っている、染み付いている為、実行には移す事が出来なさそうだった。
 だが、ほんのちょっぴり、反省もしている。聖武具シリーズを買い戻す為にしっかりと、金を持ってきたのがランスだけではなく、ユーリや傍の女の子いたから。

「聖武具なぁ、あんな高い代物を。一括で買ってくれて良かったっちゃあ、そうだが……。ま、アレがオレん家に無いし、もうここに来る事ァねぇだろうさ」

 やれやれ、と思いつつ入口を見た。
 厳重な合金で出来ている錠を設置している。鈍器でしばいても、剣で切りつけても壊れたりはしないだろう。もしも、客が来たら、ちゃんと姿を確認してから店内に入れる。
 ユーリやランスが来たら、速攻で居留守だ。
 
 お茶を口に含み、喉を鳴らしながら、ニヤニヤと笑っていた。

「まぁ、オレのセンサーに引っかからねぇ以上、連中がここに居る筈もねぇし、問題ねぇがnがっしゃぁっ!≠ヤーっ!!」

 それは突然だった。入口から物凄い音がしたのだ。慌てて入口の方を見てみると……。

 あの錠が、ひん曲がり、入口の扉も粉砕されていた。そこに居たのは3つの影。

「聞いたぞ。やはり、アイゼルの言う通り、あのバカが聖武具を持ってるんだな? それで間違いないんだな?」

 3つの影の正体は 赤く長い髪の女と、石の化物だった。

「うぇぇぇ??」

 訳が分からず、パニックに陥ってしまうオヤジ。それも無理もない事だろう。突然、入口をぶっ壊されたかと思えば、明らかに人間ではない化物がいたのだから。

「おい。お前」
「うええぃ??」
「こら、聴いてるのか? お前だ。さっきの話、本当だろうな?」
「うあぃ?」
「……ダメだ、コイツもバカだ。確か ランスってヤツもこの町だったし。この町の男はばかしかいないらしい。……い、いや。そうでもないか!! っと、イシス。こいつの目を覚まさしてやれ。殺すなよ? 確認しないといけないから」
「………」

 イシスは頷くと、オヤジを持ち上げた。そして。

ぶんぶんぶんぶん!!!

 思い切り揺する揺する。脳みそを回転させてあげようと、ぶんぶんと揺する揺する。

「あばばばばば!
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