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遺跡出現までの10日間【3日目】 その10
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うに目を細めた。

「ん?」

 紫色のシュシュが2つかかっている棒が目に留まる。これは……妹がしてたやつにそっくりだ。

「これ2つください!」

 気づいたら喉から声が出ていた。

「はいよ」

 おばあさんはにっこりと微笑むと紫色のシュシュを二つ手渡してくれる。

「あ、お金……」

 僕はポーチからお金を取り出そうとするが――――――――

「いらないよ、もうそろそろ店を畳むんだ。こんな老骨がやってる店なんて誰も来なくてねぇ……」

 おばあさんが笑いながらそれを制す。

「さ、早くプレゼントしておやり」

「はい!」

 おばあさんの言葉に元気よく返事をすると僕は一礼し、シュシュを両手に一つづつ握りしめるとセリムの宿へと駆け出した。



 ☆ ☆ ☆

「んなっ!?」

「グギョ!?」

 セリムの宿に戻った僕とオウムは目の前の光景に呆然と立ち尽くす。木で作られた扉が乱暴に破壊されており中では何人もの冒険者らしき人影が倒れていた。

「クソッ!」

 毒づきながら僕はシュシュをポケットの中に突っ込むと乱暴に壊されたセリムの宿の扉を跨ぎ中へ急ぐ。

「ケ、ケントさん……!」

「ア、アカリちゃん!? それにフッド君!?」

 食堂に行くと隅の方でアカリちゃんとフッド君がうずくまって震えていた。

「な、なにがあったの?」

 僕の質問にアカリちゃんは肩を震わせながら答える。

「セ、セルバーニ伯爵って人と兵隊さんががいきなり襲ってきて……周りにいた人たちも皆やられちゃって……ウッ……クッ……」

「な、ナナは!?」

 僕の質問に感情が高ぶって答えられないアカリちゃんの代わりにフッド君が答える。

「ナナさんは……連れ去られました……あいつが確か手紙みたいなものを置いていた気がします」

「!?」

 僕はフッド君の視線を追いその先にある白い紙を掴みとる。

『貴様の奴隷はいただいた。今からたっぷりと痛めつけてやる。安心しろ死体は返してやるよ〜んデゥフフフフ

 byセルバーニ』





「                                     」




 僕の頭から音が消えた


 心の中が赤黒く染まる。感情が制御できなくなる。破壊衝動が湧き上がってくる。あいつを殺せあいつを殺せあいつを殺せあいつを殺せあいつを殺せあいつをコロセアイツをコロセアイツをコロセ

「せるばあああああああああああああああああああああにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」

 今、修羅と化した少年が動き出す。




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