激戦
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のような眩しさが収まった時、私達が目の当たりにしたのは直撃を受けて炎を上げて崩れゆく戦艦と、破断した部分から零れ落ちていく乗員、身体の殆どが焼け焦げて炭化した見るも無残な魔導師達の姿だった。
私達があまりの攻撃力に呆然とするが、今の砲撃はそれだけで留まらなかった。地面が綺麗に丸く抉られた結果、今度は地面があるべき法則の形で元に戻ろうと濁流、土流、津波、とにかく自然災害級の衝撃が進行方向から逆走してきたのだ。生き残った戦艦は慌てて回避行動を取り、何とか副次的攻撃は避けられた。
「う、嘘だろ……管理局の誇る次元航行艦が……ディストーションシールドすら、まるで紙のように……!」
「あれはヴァナルガンドの破壊光線の倍……いや、十数倍の威力や……。喰らったらタダでは済まんで!」
「威力が高いのは、ヴァナルガンドと違って長時間力を溜めてから発射しているからだと思う。だからあの攻撃は溜めるまで時間がかかるのが唯一の救いかな……」
一瞬、あの光に飲み込まれた自分を幻視して鳥肌が立つが、怖気づいている場合ではない。個人差はあれど、ここにいる皆も何とか恐怖を振り払い、再度立ち向かう覚悟を決めていた。そしてそれは、艦内の人達も同じだった。
『生き残った艦は直ちに編成を整えて下さい! これ以上ファーヴニルが破壊光線を発射する前に、全艦隊で動きを封じるのです!!』
『了解!!』
『ちょっと待って! さっきファーヴニルの腕の根本が何か光ったよ! もしかしてあそこがウィークポイントじゃないの!?』
『アリシアさんが指摘した場所が弱点……可能性は高いわね。でもファーヴニル自体の移動速度もあるし、高速型魔導師でも追い付くだけで大変そうね……』
『皆が甲板にいるのはむしろ結果オーライかな。よぉ〜っし、こうなったら腹を決めたよ!! 皆聞いて、これから合図をもらったら艦をあそこまで寄せる!! それで甲板にいる皆はその間に一斉に攻撃して!!』
「寄せるって、あの巨体のすぐ傍にアースラを近づけるのか、エイミィ!? そんな危険な事をして大丈夫なのか!?」
『こんな化け物相手に安全策なんて、むしろ死亡フラグを増やすだけだよ! 毒を食らわば皿まで、危険を冒す者が勝利する。それならありったけ死線をくぐったらぁ!! ランディ! アレックス! 今こそ操舵手の腕の見せどころじゃコンチクショー!!』
『よっしゃぁ!! 俺達に任せろやぁ!!!』
『密かな夢だった戦艦の爆走を自分がやれるとは、マジで燃えるじゃないか!!』
『あ、なんかエイミィ達の眼が血走ってる。バーサーカースイッチが入ったみたいだね』
『あらあら、ああなったクルー達は誰にも止められないわ。でもクロノ、艦長としてこの策は有効だと判断します。綱渡りも同然の行為でし
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