激戦
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て」
「でも……それじゃあクラナガンが……!」
「そちらは俺達が出来るだけ被害を抑えよう」
砲撃の反動で身体が動かない私の言葉に答えたのは、無骨な男性だった。彼はモビーディックに乗っていたゼスト隊長で、彼の部下は凍結魔法に捕まった皆をこのまま放ってはおけないという事で救助活動を行っているらしい。
「とにかく被害は甚大だ、これ以上の犠牲を出す訳にはいかない。故に治療や救助活動に専念させるべく部下達はこの場に残らせるが、大量の怪我人を治療するためにはそこの治癒術師の手も借りたい。モビーディックでは治療の設備もある程度は生き残っているから、その娘の治療にも役立つはずだ」
「確かに……その考えに異議はありません。それでゼスト隊長はどうするんですか?」
「俺はヤツを追う。原因のファーヴニルを何とかしなければ犠牲は止まらない。今度こそファーヴニルを抑えきらねば、世界の未来が奪われてしまう。それともう一つ……通信設備が壊れた以上、こちらの状況をレジアス……クラナガンの局員達に直接報告する必要がある」
「そうですか……じゃあ私も行きます」
「はやてちゃん!?」
「シャマルにはモビーディックでなのはちゃんや皆の治療を任せたいんよ。クロノ君やシグナム達が氷から解放されても、クロノ君は胸に穴が開いたままやし、皆は鉄杭が刺さったままやから危険な状態なのは間違いあらへん。それに……なのはちゃんはあれだけの無茶をして、クラナガンの人達を守り切った。今度は私の番や……!」
「はやて……ちゃん……」
「大丈夫や、なのはちゃん。次は私が何とかする番やから、なのはちゃんはここで身体を休めとって……」
そう言ってきたはやてちゃんの瞳は、強い決意に満ち満ちていた。仲間を傷付けられた怒りで目が眩んだり、絶望的な状況で自棄になっていたりはしていない。私と同じ……ここで諦めないという意思の下、彼女も足掻こうとしている眼だった。
「皆を頼むで、シャマル」
「……はい、絶対に助けて見せます!」
「では、行きましょうゼストさん。今度こそ皆を守り切るために!!」
強く宣言したはやてちゃんは、騎士ゼストと共にクラナガンへと飛行魔法で飛翔していった。それを見届けた私は、フッと身体から力が抜けていき……深い眠りの中へと意識を落としていった……。
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