激戦
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…とにかくクラナガンの消滅は喰い止められた!
「馬鹿な……! ただの小娘が、ファーヴニルの破壊光線を弾いただと!!?」
「みたか……ラタ……トスク……! 私の……不屈の心を……!!」
「おのれ……高町なのは! ただの人間風情が親子そろってわたしの計画を邪魔するとは、とことんわたしを腹立たせるのが得意な家系ですね!」
思い通りにならなかったのが相当悔しかったのか、ラタトスクは怒り心頭の様子だった。直接ではないが一矢報いた事で、私は少しスカッとした。しかし……もはや飛ぶための魔力どころか、指一本動かす体力すらも残っておらず、私の身体は重力に引っ張られて自由落下を始める。しかし掠れた視界の向こうから、急いで向かってきたはやてちゃんが落ちていく私を海面スレスレでキャッチしてくれた。
「へへっ……ピー……ス……!」
「全く……まだ勝利しとらんよ、なのはちゃん……」
さっきの砲撃で身体はズタボロなのに空元気で笑った私を見て、たまらずはやてちゃんは呆れ交じりの微笑みを浮かべる。ここにいる仲間のほとんどが無力化された光景を目の当たりにして、絶望的な気持ちを抱いていた彼女の心に再び余裕を作れたのだ。一方、ラタトスクは先程の怒りを抑え込んで、新たな指示をファーヴニルに与えていた。私の身柄をシャマルさんに預けて、はやてちゃんはラタトスクに対面する。
「今度は何をするつもりや……!」
「簡単なコト……ファーヴニルの再生、強化が終わった今、次の手段に移るだけです。本当なら破壊光線で一網打尽にして、死を盛大に楽しむ予定だったのですが……残念ながら目の前で覆されてしまいましたからね。こうなった以上、直接的な手段を取ります」
直接的な手段……その意味を理解したのは、ファーヴニルが轟音を立ててその巨体を動かし、移動を始めてからだった。要するに……ファーヴニルは市街地に直接乗り込むつもりなのだ。
「あなた達主力部隊が壊滅した今、管理局にファーヴニルを止める力は残されていない。それでも抗おうと言うのであれば構いません、好きになさい。尤もそれは、冥界へと向かう死の道ではありますがね! フハハハハハ!!」
「待て! 待つんや、ラタトスクッ!!!」
逃がすまいとはやてちゃんがチャージショットを放つが、届く前にラタトスクは異次元転移によってこの場から姿を消してしまった。そしてファーヴニルは飛行速度が相当早いせいで、既にかなり遠くまで移動している。状況は一刻を争う、悠長にしている場合ではない!
「い、行かなきゃ……! 私が……やらないと……! 〜〜っ!」
「駄目や、なのはちゃん。そんな大怪我しとったら動く事も無理や。だからなのはちゃんはしばらくここで待機、シャマルの回復魔法で動けるまで大人しくしとっ
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