激戦
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ィーラ!! いやぁああああ!!!」
「駄目、はやてちゃん! 今は逃げるの!!」
阿鼻叫喚の地獄絵図……目の前の光景はまさにそれだった。クロノ君のエターナルコフィンと同じような広域殲滅魔法がファーヴニルの周りに広がるように放たれて、最も近くにいたリンディさんが抱えているクロノ君ごと氷に捕まり、シグナムさん達は爆発的な速度で飛来した鉄杭が刺さった危険な状態で氷に閉じ込められ、更にアースラや多数の次元航行艦、及び無数の魔導師達が瞬く間に氷山の中に封じ込められてしまった。その上、モビーディックのブリッジには建築資材が突き刺さって凍った海面に不時着、何とか捕まらずに逃げ切った者にはディバインバスターなどの砲撃魔法やアクセルシューターなどの射撃魔法による追撃がかけられる。
私達がこれまでファーヴニルに使った全ての攻撃が、私達にそのまま返って来たのだ。まさに因果応報の名の通りに……! この反撃だけで、私達の陣営は壊滅的な被害を被ってしまった。アースラを含めて迎撃に出た全ての次元航行艦が中破、及び大破し、これ以上の戦闘の続行が不可能となる。更にこの場にいる魔導師や騎士は約9割が氷に閉じ込められるか、撃墜されて凍った海の上で気を失っている。確認できる範囲で何とか反撃に耐えて生き残ったのは……私以外には、はやてちゃん、シャマルさん……だけだった。モビーディックにも生き残りはいるかもしれないけど、不時着した位置はファーヴニルを挟んで反対側なので、ここからでは陰になって様子が見えなかった。ちなみにクロノ君の影はこの反撃と同時に消滅していたようだけど、そんな事を考えられる余裕は誰にも無かった。
「う、嘘……!? 嘘や……こ、こんなのって……!」
「じょ、冗談でしょ……!? たった一回の反撃で……こちらの陣営がほとんど全滅しちゃうなんて……!」
「ラタトスク……! なんで……なんでこんな酷い事をするの!!」
「おやおや、わたくしはファーヴニルにやられた事をやり返すように指示しただけですよ? あなた達が放った魔法を、そっくりそのままお返ししただけというねぇ。自分達の力がここまで影響があるという事も自覚せず、ただ強いから、便利だから、都合が良いから、自分を確立できるから、そういった簡素な理由で容易く用いる。自分に返って来る事も考えず、いとも簡単に敵対する者へと放つ。それを酷いと言うのであれば、最初に引き金を引いた人間達こそが最も酷いと称されるべきではありませんか?」
「そんな訳無い!! 私達は世界を守るために――――」
「何をしても良いと? ウフフフフ……流石は人間、自分達の都合が悪くなると途端にそれまでの『真実』をあっさり使い捨てる。『政治的正しさ』や『価値相対化』というキレイゴトの名の下に、それぞれの『真実』がただ蓄積されていく。都
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