第3章 リーザス陥落
第60話 森に住む少女
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しまうのは仕方がない。
契約された夜も散々嬲られたのだから……。悪魔だから、頑丈にできているとは言え 可哀相だと思ってしまうユーリ。
「だから これから、宜しく頼む、フェリス」
「あ、ああ。こっちこそ」
フェリスは戸惑いながらも差し出された手を握った。そして、その差し出された手を握った時もやはり思う。
――……何故だろうか……。と。
契約をしたからこそ、の関係であり……そんなものが無ければさっさと逃げる……じゃなく、ランスであれば八つ裂きにして、魂を掻っ攫ってやる! とも思っている程だった。
だが、この差し延ばされた手、握った手は温かい。とても、温かい。……悪魔になって、こんな暖かさを得た事はこれまでに無かったと思う。
もしかしたら、カラーであった時も、少なかったもかも知れない。
ユーリであれば、悪魔だろうが、カラーだろうが。……人間だろうが関係ない。そう思ってしまう自分がいたのだ。
「(……片方は最悪だが、ユーリは……っ、って違う! そんな訳無い! こいつは、こいつは 私の力を頼ってるだけなんだ! ……私の力を……)」
フェリスは 今思っている考えを一蹴。
人間を信頼する事など、カラーの時も無かった。憎悪の対象……、ユーリの言葉にもあるが、まさにその通りだった。魂の契約をする際、散々良い思いをさせてから魂を取る。
……だが、その良い思いをさせるのも、何処か不快感はあった。
仕事だから、出世の為だから、と飲み込んでいたが、それでも拭いきれない思いはある。
だからこそ、フェリスはこの時 線引きをしていた。……深く、なるべく この男に近寄らない為の線引きを。
「ちょっと、ユーリっ!」
「ん? どうした? 志津香」
そんな時だ。戦いを終えた志津香がユーリの元へと戻ってきた。
「……随分といい御身分ね? 戦いは私達に任せて、可愛い悪魔の娘とおしゃべりなんて」
「……はぁ? オレ達も戦ってたぞ?」
「ふーん、そうは見えなかったけど?」
難くせをつけてくる志津香とそれを回避しようとするユーリ。どういっても駄目だ……って思うのだけど。
「まぁ……、志津香達も、盛大に蹴散らしていったからな……。あの数のモンスター達を。オレが 目に入らなくても不思議じゃないか」
「う、うっさいわね!」
「いてっ! だから、何で脚を蹴るんだ!」
女の子相手に言う言葉じゃないだろ……、とニヤニヤと笑いながら見ているのはミリ。
「よぉ? 退屈、しないでいいだろ? アイツ等見てると」
肩に手を置いて、フェリスに語りかけるミリ。
暫くしてると、かなみまで混じってきた様だ。どうにか、宥めている様だが、少なからず嫉妬も見える。ユーリと楽
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