第3章 リーザス陥落
第60話 森に住む少女
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リは、私に何か話があるのか? ……ランスと違って、ユーリは……その、私に色々しないから、ありがたいけど」
フェリスは、呼ばれた以上は従わなければならない。そう言う契約だから。……が、命令らしきモノをもらってないから 特に何かをする訳もないのだ。でも、呼ばれた以上、帰れ、と指示を貰えないと帰る事ができない。
「ん、ああ。そうだったな。いや オレは お前たち悪魔の事、ちょっと聞きたかっただけだが……」
ユーリは、そう言うと 周囲を見渡した。周囲に来ていたモンスター達。自分たちを囲む様に来ている。森がモンスター達を隠し、そして野生のモンスター達は気配を断つ事も造作無い。だから、ここまで接近を許してしまったのだろう。……この場所を住処としている以上は、仕方がない。
ユーリはそれを見てかるくため息をする。
「こっちの方にも、大分来てるな。 悪い、一先ず一緒に戦ってくれ。1体1体は、別に問題ないレベルだが、如何せん数が面倒だ」
「ん、判った」
フェリスは鎌を構えて飛び込んでいった。
フェリスのその力量は、間違いなくこの中、いや 解放軍の中でもNo.1候補と言えるだろう。敵にすれば厄介極まりない、が味方だった時は、非常に頼りになるのだ。
「……神と悪魔、か」
ユーリは、フェリスを見て、そして森の木々の間から見える空を見上げた。
悪魔にも色々いるように、神にも色々といる。
レベル神もそう言った類であり、ヒトミが言ってくれた救いの神と言う形容もそうだ。
だが……、この世界の全ては、頂点から始まった。
この世界の頂点から。……そして、遠い過去に起きた、起き続けてきた悲劇も……全ては頂点からだ。
「(……まぁ、今は良いか。別に考えなくても。……考える意味も、無い)」
ユーリは首を振り、そしてモンスターたちを撃退していった。
これは共有している記憶。戦いの記憶。自身の内に住まうかの者の記憶だ。その中には、確かに憎悪の炎も共に、身に宿っている。それは消えることの無い黒き炎となって。
「おい、ユーリ?」
「ん、あ、ああ。どうした?」
そんな時だ。
突然声をかけられた。相手はフェリスだ。
「ん? どうしたんだ、ユーリ。囲んでいたモンスター共は、もう追い払ったぞ。……アイツ等、人間なのに凄いな」
悪魔フェリスでも、志津香達の力量には舌を巻くらしい。事実、さっきまで、周囲を包囲していたモンスター達の大半を屠ったのは彼女達なのだから。
「はは。人間も大したものだろ? ……まぁ、フェリスにとっては、まず間違いなく憎悪の対象だとしてると思うが、少しでも認識を改めてくれるとありがたいな」
「……それは、その憎悪って言うのは 悪魔である前の私
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