第3章 リーザス陥落
第60話 森に住む少女
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は違う。
ラプと人間。
モンスターと人間の距離を考えたら、長老の言葉の方が正しいだろう。
「ソレニ ダメ スー ニンゲン 文化ワカラナイ」
「……皆さん。厚かましいと思われるかもれませんが、スーを頼めませんか、あなた方は初めてラプである我々と話をしてくれて、判ってくれた」
目を瞑り、そして開いた。
「どうか、スーの事を……スーに幸せを……」
それを、その懇願を訊いて、無下に出来る者などここにはいなかった。
「今の現状を考えたら、レッドの町で保護するのが一番安全、かな?」
「そうね。レッドの町なら直ぐ近くだし、何より教会のセルさんがいる。あの人は教会で孤児院の様な事もしてくれてるし」
「そうですね。セルさんは立派な御方ですし。一番安全かと思います」
「ま、オレも色々と教えれるしな?」
「馬鹿者! ミリ。教えるのはオレ様の役目だ。人間の文化と言う物を身体に叩き込む為に!」
「馬鹿ランス!! こんな純粋無垢な子になんてこと言うのよ」
断腸の思いで頼もうとした長老だった。……そして不安だった。普通の人間なら、こんなモンスターの事など聞いてくれないだろう、と何処かで思っていた。
でも、この人たちはもう、スーの事を考えてくれていた。断ると言う選択視が最初から無かったかの様に。
「あ、ありがとうございます……。スー」
「ドウシテ チョーロー、泣ク? ヒドイコト サレタ?」
「違う、これは違うよ、スー。……この人たちは本当に良い人達だ。信じていい」
「………」
優しい目をしている事、スーは直ぐに判った。その目を人間に向けている。家族に向けている様な優しい目を。
「ワカッタ。文化イガイモ、 ワカラナイ事 多イ。 デモ スー、ガンバッテミル。ダカラ……」
スーは少し俯かせた後、笑顔で聞いた。
「トキドキ 遊ビニキテモ イイ? 戻ッテキテモ イイ?」
「そうじゃな。……人間界の生活に慣れたら、何時でも来なさい」
「ウン、スー、ガンバルッ!」
スーはその言葉を聴いて笑顔になった。
「よーし、まずは簡単な文化基礎教育だ!」
「だから まずは、ユニコーンだ。時間が惜しいだろ」
「何度も言わないの! レイラさんが大変なのにっ!」
ランスの行為は、全員が却下(シィル以外)した為、勿論無しの方向となった。この時のスーであれば、ランスの言葉でも、なんでも訊くだろう。ランスの言う文化? も何一つ疑問を持つ事なく。
だが、ここで風向きが変わる事になる。
「スーハ、ドウスレバ イイ?」
「良い? あの、がははって下品に笑うデカ口男の言うことは聞かなくていいからね? 悪影響しかないから。判らない事があったら、私達、そっちの黒い髪の男に聞きな
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