第3章 リーザス陥落
第60話 森に住む少女
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「……ア、ウッ…… ダッテ 人間、 敵デ ワルイヤツ」
「スー、相手が敵かどうか確かめずに攻撃したという事なんだな? 人間が全て敵ではないんだぞ」
「………ウ、ウ、……ゴメ、ンナサイ」
スーは、素直に頭を下げた。
それを見た長老は、この人間が言っているのが間違いない事を理解した。
「申し訳ない……。スーの早とちりであなた方に攻撃をしてしまった様だ」
そして、頭を下げた。
「よかったですね、どうやら無事に和解出来たようですよ」
「うむ。そこまで言うのなら許してやらんでもないな」
「まぁ、こっちには、実質的な被害らしい被害は無かったしな」
「思う存分暴れてたしな……、売られたケンカとは言え、経緯を考えたらちょっと悪いことしたか? って思ってしまう」
こちらの被害は、ユーリが言うように0だ。
ラプ側は、死んではいない、と言うだけで 多数の被害を出している。もう少し早くに長老と出会っていれば、と思ってしまった。
「……ゴメンナサイ」
「よしよし。以後オレ様に協力を誓うと言うのなら許してやろう」
「ユニコーンの事もあるしな。協力してくれるのなら有難い」
「ありがとうございます。協力はさせてもらいますよ。こら スー。ちゃんと礼を言わないか」
「アリガトウ」
スーの表情を見ればよく判る。慕っていると言う事がよく判る。だが、疑問も当然だがあった。
「どうして、ラプの中に人間がいるの?それに、他のラプ達に比べたら一際人間そのものを敵視していたし」
かなみがその疑問を聞いていた。長老は少し表情を歪ませながら、口を開いた。
「……スーは、心無い人間に捨てられた捨て子だったのです。……必要以上に敵視するのは、森を侵す人間。幾度となく、集落を襲われた事と、そして その捨てられたと言う事が少なからず、心に残っていたのでしょう。……私達がなんとかここまで育てる事は出来ましたが」
「スー 捨テ子。ラプ ガ 家族」
スーの見る目を見てもよく判る。ラプ達を信頼し切っていると言うのが。だが、長老は首を横に振った。
「しかしな、スー。やはりスーは人間なのだ。そろそろ人間界に戻って生活をしないと……、スーの幸せの為にも」
その長老の言葉に、村の住民であるラプ達も頷いた。スーが皆を家族と思ってたように、皆も同じ気持ちだった。だからこそ、スーにとって一番良い選択は何なのか……、それを理解していたのだ。
「ヤ! スー、ココデ スム! 人間 ノ マチ ココニイル 人間タチ ト チガウ。 ワルイヤツ オオイ!」
「これ。 スー。わがままを言うでない。……これは全部お前の為なんじゃ」
家族は、共に暮らしてこそ、それが本人にとっても幸せな事だ。それは、判る。……だが、今回のそれ
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