暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
訳知り顔で夕焼けを
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都合よく。
自分達のことを棚に上げて。
容量不足で突飛な応えには慣れてしまった。それがどんな理不尽でも、受け流して視線を逸らす術を知ってしまった。
だから、かもしれない。
眼前の少女の口から吐き出された言葉を、どうにかこうにかでも、心苦しく醜い形であれ、理解できたのは。
「…………――――」
ユウキの口がゆっくりと閉じられた後、リラはとりあえず片手で眉間の辺りを揉みしだいてみた。
隣で岩壁に背を持たせかかるミナだって、同じような複雑怪奇極まった何とも形容しがたい表情でいる。
どちらともなく、顔を見合わせた。
先に重苦しい沈黙を破ったのは、リラだった。
「あー、つまりあんたらは元SAOプレイヤー……
生還者
(
サバイバー
)
ってことで……んで、その時の敵対してたヤツが襲ってきた――――ってこと?」
「そう」
「……〜〜〜ッ」
声にならない吐息を吐き出しながら、少女はがしがしと頭をかく。
ついてけない、
それが端的に、冷静さが残っている脳から送られてきた結論である。
冷静は残っているが、それは決してユウキの言葉を加味した上での静けさではない。逆に、一度に許容範囲外のことを列挙されたおかげで、脳裏の冷却ファンはかつてないほど高速で回っていることが分かる。
だいたい《シンイ》とは何だ。
意志力でシステムを上書きする?ハッ、冗談じゃない。それはもはやゲームの範疇を越えているだろうが。
ゲームというのは、楽しいものであり、そんな説明書にも載っていないようなシリアスな隠し機能などあるわけがない。
そう、ゲームは楽しい。
そうじゃ、なかったのか。
「…………………………………」
ギリ、と奥歯が噛みしめられた。
ましてや、殺し合いだと?この、現実とは切り離されている仮想世界の中で?
「……はっきり言うわ。そんなことあたしは信じらんない、信じたくない。ここは
仮想
(
ゲーム
)
よ、
現実
(
リアル
)
が入ってくる訳ない」
「リラちゃん……」
「黙ってミナ。これは譲れない、絶対に譲れない」
背後からかかる唯一無二の家族の片割れの声を聞きながら、しかし少女はきっぱりと言い切った。揺らぐ意思のない力を碧の双眸にたたえ、ユウキを睨みつける。
その眼光を真っ向から受けたユウキは、普段の快活さからは考えられないほどに大きく肩を震わせ、濡れ羽色の前髪の下に表情を隠した。
「…………時間の無駄だった。今すぐには殺さないわ。あたし達は出ていくから、あんた達は勝手にして。……次に会った時は」
ブッ殺す、と。
そう、宣告するかのように言い放ち、傍らのミナに「さっさと行くわよ」と続けた。
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