第3章 リーザス陥落
第59話 レイラを救え
[10/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
っていた表情は、少しだけ、明るくなる。
ユーリは、そのまま レイラの傍へと向かった。ゆっくりと腰を下ろし、彼女の手を取る。
「……ユーリ殿、判るのですか?」
ハウレーンは当初こそ、男性であるユーリが診る事が、複雑そうだったが、今はそうでもない。あのレイラの姿を診て、一瞬……表情を赤らめ、視線を逸らしたが今はそんな邪な感情は感じ取れない。純粋に、彼女の事を心配している様だからだ。そして、セルに言った言葉を訊いてもそう。……誠実な人だと言う事は、もう 十分すぎるほどに判っているから。
「……魔人アイゼルに直接、催眠をかけられたんだ……。ランス達が撃退したサファイア、と言う者が使っていたとされている、魔法のそれとは比べ物にならないだろう。……他の洗脳されていた兵士達はどうなんだ?」
「うん。……、レイラさん以外は……もう正常になったの。でも、レイラさんは……」
マリアは、そう言って表情を落とした。そして、再びレイラを見ると。
「あっ……いいわぁ、も、もっと……あぁ……、あ、アイゼルさまぁ……あっ……」
レイラは淫らにそう叫び続けた。その内容から、ユーリが言っていた言葉が間違いないと言う事だった。
「……あんな奴にっ……」
かなみは、ぐっと歯を食いしばり、そして拳を握り締めた。彼女を意のままに操っただけに飽き足らず、こんな女の尊厳を奪ってしまうなんて、同じ女として、一緒に訓練をしてくれた恩人の1人として、……大切な仲間の1人として。許せる事じゃなかった。
「ユーリさん……、何とかならないのですか……? 御願い、し……ます」
「……」
かなみの懇願に、ユーリは深く目をつむった。
「こう言う術は、その者固有のモノだ。……だから、術をかけた本人が解く、もしくは……アイゼル本人を倒して、術とリンクしているだろう意識を断ち切る事、か」
「がはは! 簡単じゃないか、アイゼルをとっとと倒したらいいんじゃないか! と、言う訳で、さっさとコレとけ!!」
ランスは、へばりついたまま、そう吠えた。いつまでも、貼り付けられていたら……まぁ、ランスじゃなくても同じだろうけど。
「で、でも、ランス様。アイゼルさんって何処にいるか判りません。……あの時、誰も気づかずに立ち去ってしまいましたし。凄い速さです。そんな人を、無理では……?」
「探したらなんとかなるのだ! オレ様が探せば楽勝だ!」
粘着地面を受けた状態で、豪語しているが、まるで説得力が無い。……が、ランスのそう言う類の運は、他の人物よりは一線を超えていると言っていいだろう。
「……駄目だ。いくらランスの強運を駆使して探し当てたとしても、今も体力が減っている。……このままじゃレイラさんの身体がもたない。……よくで数日程度。…
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ